● 比肩・劫財の解説
大阪の易者、武部泰莞です、こんにちは。
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比肩・劫財のことを、合わせて比劫と呼ぶことがあります。
比肩とは、日干と同じ五行で、陰陽も日干と同じものを言います。
つまり、
甲と甲
乙と乙
丙と丙
丁と丁
戊と戊
己と己
庚と庚
辛と辛
壬と壬
癸と癸
の、この十種類の関係のことを言います。
劫財とは、日干と同じ五行ではあるけれども、陰陽が日干と反対のものを言います。
つまり、
甲と乙
乙と甲
丙と丁
丁と丙
戊と己
己と戊
庚と辛
辛と庚
壬と癸
癸と壬
の、この十種類のことを言います。
一般的な解説と、考察
一般的に、比肩・劫財は以下のように解説されているようです。
僕の考えは註として、それぞれの下に書いてみます。
【比肩】
比肩とは、兄弟姉妹、友人、同僚を表す星である。
また、分家、養子、独立、競争、衝突をする。
この星が元命にあると、生一本で、自我が強く、わがままで、人の言うことを素直に受け入れません。（※1）
自主独立の星とも言う。
もしこの星が四柱にたくさんある場合は、人との協同事業には向かず、自分で事業を起こすか自由業などに向いている。（※2）
又、比肩は、妻の星を剋し、財産の星を剋しますから、妻と衝突したり、兄弟で財産を争うということにもなる。
あるいは、命中で＜比肩 - 偏財 - 比肩＞と妬合すれば（※3）一人の女性を巡って兄弟で奪い合うこともある。
女性で地支（※4）に比肩がずらっと並んでいるような命式の場合は、色情の因縁があると見る。（※5）
離婚したり、再婚したりと落ち着かない。
子供との縁がないことが多い。
しかし、命式中に偏官があれば、その凶意は薄くなる。（※6）
※1 他の星の配合による。
※2 向いてはいないが、独立を望む人が多い。
※3 起こり得ない、正財の間違い。
※4 ここのテキストでは、蔵干を取り出して通変星をつけるやり方を採用しています。
※5 迷信。
※6 命式の配合による。
【劫財】
劫財とは、兄弟姉妹、義理の兄弟姉妹、同僚、友人をあらわす星である。
また、自己本位で気性が激しく、豪放な面もあり、闘争精神旺盛である。
比肩よりは表面が柔和ですが、妥協しないので衝突する。（※1）
（劫財 - 正財尅す場合）正財は妻の星であるので夫婦仲はよいとは言えません。（※2）
また、人との協同事業はしないほうが無難でしょう。（※3）
財産を尅す星でもあるので、お金が入っても出る方が多いので貯金はできそうにない。（※4）
四柱に劫財が多い場合復縁することがある。
命式中の同じ柱に羊刃と劫財があると、財産のために災厄が起こりやすい。（※5）
又、年干に劫財があると、家業を継ぐことができない。（※6）
もし年支、月干、月支にあれば次男か次女の生まれです。（※7）
命式中に偏官があれば、凶の作用は多少緩和されます。（※8）
※1 十干による。
※2 命式の配合による。
※3 場合によっては、強力な協力者の助けがあることもある。
※4 劫財という漢字の印象のみの判断であり、誤り。
※5 羊刃とは神殺の一つ 神殺は使い物になりません。
※6 継いでいる人もいます。
※7 迷信。
※8 命式の配合による。
巷によくある古いスタンダードな解説も、これと大差ありません。
しかし、個人的にですが、このような四柱推命の解説は到底納得のいくものではありませんでした。
というのも、どのようなときに吉星として働き、どのようなときに凶星として働くのかという、確固たるものがないからです。
比肩・劫財が吉星として働くとき
比肩・劫財は、日干と同じ五行ですから、日干を強めることはあっても、弱めることはありません。
したがって、比肩・劫財が吉星として働くのは身弱の場合だけであり、身旺の場合は絶対に凶星としてしか働きません。
（ただし、身弱の場合でも凶星として働くことはあります）
このことにすら考えが及ばない者が多いのです。
吉星として働く場合は、今までやる気がなかった者が急にやる気を出して、仕事をはじめ物事が順調に進んでいくようになったりします。
アイデアに溢れ、人に対して優しくなれることもあります。
借金で苦しんでいたのなら、借金返済の目処が立ったり、返済を完了したり、返済を肩代わりしてくれる人が現れたりすることもあります。
結婚のチャンスとして働くこともあります。
比肩・劫財が凶星として働くとき
上にも書きましたが、比肩・劫財が凶星として働くのは、身旺の場合と身弱の場合があります。
それぞれによって、現象が異なるので、鑑定の際には注意してみると面白いかと思います。
凶星として働く場合は、人との衝突ばかり起こしてしまったり、暴力的になったりすることで運を逃してしまいやすいのです。
場合によっては、自滅していくようなこともあります。
また、期待や信頼していた人に裏切られてしまうとこともあります。
比肩・劫財の十干理論
四柱推命の扶抑の理論なども理解出来るぐらいになると、それ以上を考えないようになる人も多いようです。
だから、「身弱であれば、比肩・劫財は吉星のはずだ」と思い込んでしまう……。
四柱推命を学んでいく上で大きな壁がここにあるのです。
実は、四柱推命は十干理論にまで精通しなければ、運勢の大きな落とし穴に気づかず、お客さんを不幸のどん底へ落としてしまうことにもなりかねません。
本当に簡単にですが、比肩・劫財の十干理論の吉凶を書いておきますので、参考にしてみて下さい。
【比肩】
甲と甲＝吉
乙と乙＝凶
丙と丙＝吉
丁と丁＝凶
戊と戊＝吉
己と己＝凶
庚と庚＝吉
辛と辛＝凶
壬と壬＝吉
癸と癸＝凶
【劫財】
甲と乙＝凶
乙と甲＝吉
丙と丁＝吉
丁と丙＝吉
戊と己＝凶
己と戊＝吉
庚と辛＝凶
辛と庚＝吉
壬と癸＝凶
癸と壬＝吉
命式によっては、吉と書いてあるのに凶になる場合も多く存在しますが、それを書くにはあまりにも大変なので、省略しています。
それぞれ考えてみて下さい。
また、この十干理論については、僕の師である緒方泰州先生の著作が非常に参考になると思います。
運命学実践家・易者 武部泰莞
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