おみくじ論考~大凶は陰の窮み?その2~ | 運命学の研究

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大阪(新大阪、石切等)でプロの易者として活動している武部泰莞のブログです。
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前の記事の続きです。

「おみくじ論考~大凶は陰の窮み?その1~」は、こちら↓
http://ameblo.jp/nihilo/entry-12114005741.html




まず陰の窮みである【坤為地】から。

坤為地~受け入れる~

坤為地
全て陰で出来ている卦ですから、これが陰の窮みの卦である、と言えるでしょう。

確かに、この卦を得たときの判断として、色々なことがうやむやになっていて、又はなってしまって、中々上手くいかないということはあります。

しかし、だからといって大凶であるとは読みません。

易経には「正しい道に従い、安んじていれば吉である」とあります。

ただし、出よう出ようとすると良くないという卦ですから、ガンガンいきたいという人にとっては好ましくないときかもしれません。


地雷復~一陽来復~

地雷復
全陰の坤為地から、徐々に陽が芽生え始めて一番下の初爻が陽に変わったものが地雷復の卦です。

冬から春に移るように、陰陽の気は循環するという一つの摂理があります。

足元が固まり、次第に動きたくなるときです。

自ら積極的に動けば雷地豫の卦に変化するように、喜びは得られます。

ただし、その喜びは自分自身がしっかりと準備していたことの収穫であり、陽が一つだけですから、まだ拡大・発展の時期ではありません。


地沢臨~希望~

地沢臨
地雷復の二爻が陽に変われば、地沢臨という卦に変化します。

易では、五爻と上爻を<天の位>、三爻と四爻を<人の位>、初爻と二爻を<地の位>とするのですが(この天・人・地を三才と言います)、地沢臨の卦は<地の位>が陽でしっかり固められたかたちです。

地雷復よりも安定感があり、正しい道を守っているなら願いが叶うという意味があります。

自ら積極的に進めば、繁栄という意味のある沢地萃という卦に変化しますが、その場合も祀り事をするような態度が必要です(萃の卦辞を参照のこと)


地天泰~泰平~

地天泰
地沢臨の三爻が陽に変われば、地天泰という卦に変わります。

天地和合のかたちであり、何もかもが揃って安定している状態を示しています。

ここで陰陽のバランスが整い、これ以上陽が大きくなることは好まれません。

安定している状態で、更に何かを求めるというのは不純に繋がり、積極的に進もうとしても天地否の卦に変化し、何事も上手くいかなくなる危険をはらんでいます。


このように、陰陽のバランスを考えてみるのも面白いのですが、先に書いた通り十二卦全て説明するわけにもいきませんから、雷天大壮~風地観は省略して、【山地剝】を最後に書いておきます。


山地剝~崩れる~

山地剝
下から迫ってきた陰の気によって陽の気が剥ぎ落され、尽きようとしている状態を示しています。

山が崩れ、どうにも手が打てないことを意味しています。

無理に進めば地山謙の卦のかたちのように、地の中に山がめり込むぐらい頭を下げなければいけない事態にもなりかねない、かといって迫りくる陰気のせいで退くことも出来ない……非常に危険なときです。

上爻は人体では頭の部分を示していますから、プライドや野心のあることを意味しています。

しかし、それを捨てて受け入れる態度で、積極的な行動を慎み、我慢し、時期が来るのを待たねばなりません。


まとめ

この山地剝のような進退ともに窮する状態こそが大凶であると言えるのではないかな、と。

今から良くなるというのは、虚心坦懐に物事をみられる状態になってこそでしょう。

それがまだ出来ない山地剝のときこそ、最も苦しい大凶の時期なのではないかな?と思うのです。

「大凶はこれ以上悪くならないってこと!これから良くなる」なんて態度では反省がありませんから、坤為地に至るまで時間がかかるかもしれません。

反省すべきことを反省し、受け入れることによって、初めて運勢というのは上がっていくものです。

そして、上がり過ぎたら上がり過ぎないように、そのときは別の注意が必要になるわけです。


また、おみくじは大吉とか大凶とか、そこばかり見ていても意味がありません。

吉でも凶でも、そのおみくじが自分のところへやってきたのは何故なのかを一度考えてみても良いかもしれませんね。

せっかく神様からいただいた言葉を、エンターテイメントにしてしまうのもどうかと思いますから。


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運命学実践家・易者 武部泰莞


                   
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