官星が命式にあれば仕事運が良いとされます。
しかし、実際鑑定をしてみると、どうもそうではないように感じます。
もちろん、その見方でOKな場合もあるのですが。
官星というのは、我が身日干を剋す(攻撃する、抑え付ける)星です。
(仕事で見た場合)自分の周りにいる人間に置き換えると「上司」に当たります。
官星が良い働きをしている命式は、上司や組織との連携をうまくすることができるという意味に取ることができます。
確かにこういう場合は、仕事運が良いと考えることができます。
しかし、官星に当たる十干が強すぎたり弱すぎたりすると、そうは言えません。
結局、四柱八字は力量論なんですね。
この考え方は、あくまでもサラリーマンや勤め人向きの見方です。
自営業なんかは全く別の見方をしなければ仕事運は計れません。
ではどのように考えるのか。
一つのヒントになるのは、古い見方ですが、女性で印星が強い命式を持つ人は職業婦人になる、というものです。
男性は、仕事の面ではたいていの人が縦社会で生きています。
出世するためには組織の中で自分を認めさせていかねばなりません。
上司が良くなければ、よっぽど有能でなければ出世は中々望めないでしょう。
だから官星が重要なのです。
これに対して、女性が仕事をするとなると横の繋がりを大切にすることが多いでしょう。
女性は「共感」を大切にして人間関係を築いていくそうです。
「口コミ」という形で広がっていくマーケティングというのは、男性には実感がわきにくいというのはそのためでしょう。
この共感を意味する通変が「印星」なのです。
このようにして見ると、通変によって仕事の拡大法が異なるということが分かります。
もちろん、十干別で見れば、それぞれ通変の作用は異なりますから、そこを更に判断の基準にしていけば良いわけです。
古い見方だけでは何の役にも立たないことが多々あります。
だからといって、自分の勘で適当なことを言うのは論外ですし、奇抜な理論を勝手に立てて論じるというのも危険があると思います。
古い見方を糸口にして、時代に合った見方を考えていくというのが大切だと思います。
そして、こういう風に研究していくことが(自分で言うのも何ですが)誠実な態度であると言えるでしょう。