ネタバレ注意!
ネット上で大人気のFate/stay night。世間より遅れること2年近く、Amazonで購入してやってみた。前々から巡回先のサイトでよくイラストの題材になっていて、シナリオも質が高いと聞いていたので、後悔はしていない…が、時期が悪すぎた…
結論から言えば、大満足。ただスクリプトを読んで選択肢を選んでいくだけといったビジュアルノベルゲームは初めてだったけれども、ストーリーの熱さ、綿密さ、面白さに引き込まれ、気付けば半日以上やっていたりなどしていた(それは別の意味で問題だが)。
ストーリーは3つのルートで語られる。7人の選ばれたマスター(魔術師)が、サーヴァントと呼ばれる過去の英霊を呼び出し、全ての望みをかなえる「聖杯」をめぐって争う「聖杯戦争」が舞台だ。仲間と共に戦い抜きながらも、最強のサーヴァント「セイバー」の、人としての幸せを主人公が願い、心を通わせていく「セイバールート」。才色兼備、本性は赤いあくまなヒロイン遠坂凛と協力しながら、自分の信念を貫き通すことの苦悩と強さを未来の自分「アーチャー」との戦いを通して描く「凛ルート」。前2つとは一転して、聖杯戦争の裏側を舞台に、11年もの間虐げられ、人並みの幸せを願い果たせず、「影」に飲み込まれるヒロイン桜を、主人公が世界を敵に回してでも守り通すと誓う「桜ルート」。1つ1つ違った流れを描くボリュームたっぷりの構成で、遊び応え(というより読み応えか)は十分。
一応18禁ゲームで、確かにエロシーンはとことんエロいが、それ以上に熱いストーリー展開が魅力に溢れているので、エロゲーだから…などと躊躇せずにぜひやってみて欲しいと思う。
…批評文めいたことを書いてみたけれど、やはり自分の語彙力の無さを痛感する。形にしたい胸の中の思いを表現する上手い言葉が見つからないのはどうにも歯がゆいものだ。作家という商売は毎日こんな苦悩を繰り返しているんだろうか。それとも本を大量に読むことで語彙を増やす努力を怠らない人が作家なのだろうか。
んで、感想。ビジュアルノベルというジャンルは初めてだったんで、作業は選択肢を選ぶだけというものが新鮮に感じられた。肝心のストーリーが半端ない出来だったから、苦にならなかったのかな。
個人的には、共感度の高さで凛ルート、話の面白さで桜ルートが好み。
凛ルートunlimited blade works編感想
凛のサーヴァント「アーチャー」が実は主人公衛宮士郎の未来が英雄になったもの、という設定が売り。周りの人間を助ける、幸福にすることができると信じ続け、死してなお英霊となって人間を守ろうとしたが、人間の救われない姿を何度も目にし、何度も些細な、しかし純粋な希望を裏切られ続け、ついに元の自分を殺すことで苦しみを終わらせ、自分自身にけりをつけようとした「アーチャー」英霊エミヤ。それに対し、どんな未来が待っていようとも、周りの人を守る、と誓った自分を貫き通す、選んだ道がたとえ間違っていたとしても、信じて過ごしてきた日々は決して間違いではないとする士郎。
二人の対決のシーンはもう鳥肌が立ちっぱなしだった。サーヴァントに対し、本来人間は無力。しかし、信じられない生命力で、アーチャーと戦い一歩も引かない士郎。あの強さはもう反則の域だと思うのだが…まっすぐな昔の自分と対峙し、剣を交わし、最後にエミヤは自ら防備を解いて士郎に敗北する。その一連のシーンは士郎の力強さ、一途さに対する憧れと、エミヤの救われなさに対する悲しい共感、そしてエミヤの士郎に対する憧れに対する共感を呼び起こした(なんかわけわからん文章だ)。物語の最後、ギルガメッシュを討ち果たした後、凛に対してエミヤが笑顔を投げかけるシーンは、震えるくらい感動的で、エミヤが救われたことに対する安堵に涙が流れた。
士郎のように、まっすぐにひたむきに、自分の道を歩むことができたらどんなに美しいだろうと思う。たとえ選んだ道が間違っていたとしても、その道を選んだこと、その道を信じて生きてきた自分を後悔することだけはしたくない、と胸を張ることが普通に人にできようか。
人生は後悔に満ちている。あのときこうしておけば…などと考えることはしょっちゅうだ。違った未来、違う自分を思い描いて、挙句の果てに今の自分は誤りだったのではないかと考える。でも、過去は変えられない。過ぎ去った日々を取り戻すことはできない。ならばせめて、過ぎ去った日々を過ごしてきた自分は間違いではなかったと思うようにしよう。過ちは過去に戻って正すことはできないけど、今から正せばいい。胸を張って、今の自分を精一杯生きていこう…
なんてね。ま、別に自分の人生をそこまで後悔してるわけじゃない。そもそも21年しか生きていないのに、後悔も何もあったもんじゃない。後悔なぞ、死ぬ間際に夢想するネタに取っておけばイイ。今の自分が出来る範囲で少しずつ生きていけばいいんじゃないかな。感動と考える機会を与えてくれた、という点では凛ルートはよかったと思う。それよりも!俺にも!才色兼備で!!でも本性は邪悪で意地悪で赤いあくまで!!!でもここ一番にポカをやらかし!!!!そしてすごく可愛い凛のような彼女が欲しい!!!!!と真剣に思ってしまった…まあ、まずは自分がそんな相手につりあえるように立派な人間にならなくてはいかんのだがね!
いいかげん長いし、明日はうざいことこのうえない現代政治理論の試験だし(ヲイ)、桜ルートの感想はまた明日にでも。つーか長いよこの記事。