受講させていただいたのはかれこれ1カ月以上前になります。
ゴールデンウイークの間にブログ記事にするつもりが…
今年のゴールデンウイークは荒稼ぎ(※お仕事)に精を出しすぎてしまいました、猛省しておりますおいで笑い泣き



毎回受講を楽しみにしております桂花先生の漢詩講座、

今回は
杜牧の『清明』と『華清宮』(『過華清宮』)の二首について学びました。

『清明』は、今のところ私が一番好きな漢詩です。



『清明』 杜牧

清明時節雨紛紛 

路上行人欲断魂  

借問酒家何処有   

牧童遙指杏花村   




清明时节雨纷纷
清明の時節 雨紛々(ふんぷん)

路上行人欲断魂
路上の行人 魂を断たんとす


この“雨紛々”→しとしとと降る雨が、私にとっては懐かしさを覚えるものだからです。
私がいま住まわせてもらってる中国東北部では、雨はしとしとと降りません…
バケツをひっくり返したような豪雨が、月1、2回降ります(※風情は皆無)

「清明」は二十四節気の一つで、春分から15日目に当たるそうなのですが、ちょうどこの春の初めの過ごしやすい時期に、雨がしとしとと降る中、旅人が牛飼いに酒屋をたずねる情景が脳裏に浮かぶと、故郷の春を思い出します。
ド田舎育ちバンザイ!ヽ(^o^)丿



そして2首目は初見の

    
『華清宮』 杜牧

長安回望繍成堆 

山頂千門次第開  

一騎紅塵妃子笑  

無人知是茘枝来  


この詩はナント、2024年1月に実施された大学入試共通テストに出題されました!
日本の高校生諸君はこんな難しい漢詩を解読してるのか!!と、めちゃくちゃ盛り上がって受講生全員で目の色変えて解きました←



共通テストには、この漢詩と華清宮の全景図が載せられており、この詩について学者が書き残した関連資料(漢文で書かれてある!)を読みながら、日本語の設問に答えるというなかなかに難易度が高いものでしたが(当然この漢詩は、高校の国語の教科書にも載ってないはず)

例えばこの「問2」なんて、中国語ができたら解けますよねってカンジですニヤリ
↓↓↓




(イ)を間違えてしまいましたが💦

【正解」
(ア)「百姓」=(1)「民衆」
(イ)「膾炙人口」=(4)「広く知れわたっている」
(ウ)「因」=(1)「そのために」


(イ)の「なますあぶるひとのくち」は、

正しくは
人口膾炙(じんこうかいしゃ)とか膾炙人口(かいしゃじんこう)と読んで
“多くの人の話題にのぼり、広く世間に認められること。詩文などが褒め称えられて、もてはやされること。”なのですが、

わたし「なますあぶるひとのくち」って読んでしまって(5)の「人々が苦痛に感じている」を選んでしまったんですよね…
あぶった膾を食べて口をヤケドしたんかいな?とか思ってしまって…滝汗

他の設問については、中国語が分かれば解け…

…るってものでもないですが、

漢詩講座を気に入って毎回受講しており、
漢詩の中に「長安」とか「妃子(楊貴妃)」というワードがちりばめられてるものだからもう大興奮で解かせていただきました。

中国史は、この“傾国の美女”楊貴妃の時代が一番好き!

先ず、玄宗皇帝とその息子、寿王・李瑁とのあいだでNTR(ネトラレ)が起きて、
玄宗皇帝(父)が勝って楊貴妃、玉の輿にのるんだけど、
安禄山ともイイ仲になり(デブ専?)
最期は玄宗皇帝を骨抜きにして「安史の乱」を招いてしまい、非業の死を遂げるという…
そして唐も衰退の一途をたどり…

そして、長安の都では
『華清宮』のような楊貴妃にまつわる漢詩が読まれたり、
楊貴妃の死後も白居易が『長恨歌』を詠んだりで、漢詩を通じて中国史をたどるのが実に面白いのです。

「楊貴妃は最初、玄宗皇帝の息子の妻だったのを玄宗皇帝が寝取ったんですよ」とか、そんな面白いこと(?)を、世界史の先生はなんで教えてくれなかったんでしょう!!

でも、こうして漢詩の世界を入口に、中国史を学ぶのが楽しいと気づいた昨今ですが、桂花先生が仰るには、高校国語では漢文の授業が減り、大学入試でも必ずしも漢文が必要でない場合もある…とか。
こんなに面白いのに!!えーん
(※2024-06-05…赤字個所を訂正済です、桂花先生、ご指摘いただきありがとうございましたお願い

桂花先生、各位同学、楽しいひとときを本当にありがとうございました。
漢詩講座(2024夏の部)の開催も心待ちにしております。

サムネイル画像は季節はずれですが、春に撮影した日式(?)桜の花です。
霧雨が降らないので、なかなか清明節にふさわしい風情のある写真が撮れなくて…