ついにこの日がやって来ました。

2024年2月17日、埼玉は所沢市でFFXIの朗読劇の催しものに参加してきました。

会場に着く前から、FFXIの服を着られた「冒険者」様をちらほら見かけます。「あぁ、この方達も同じ世界を知っているんだと思うと、つい声をかけたくなりますが、せっかくの時間を邪魔してはいけないと思ってしまいました。引っ込み思案な部分がでてしまい、結局誰ともおしゃべりいたしませんでした。

東所沢駅に着いてからは、ツィッターで藤戸様が道案内をされておられたので迷子にはならず会場までたどり着きました。ご配慮に感謝いたします。

会場に着くと、角川様の大変都会的な建物が目に入ってきます。会場は、その建物の隣でした。

蛹は第二部に参加する予定でしたので、開場まで施設を見回ったり、施設内の喫茶店でコーヒーを片手にこれから始まるヴァナディールの世界に思いを馳せながら時間を過ごしました。

会場から空を眺めると、天から光の階段が降りていました。まるでFFXIを祝っているようでした。

16時半になります。開場時間前から、ヴァーミリオンクロークを着られてイベントを盛り上げ楽しもうとされる「冒険者」様もおられたりして、蛹も一気に会場の雰囲気に入り込んでいきました。

会場に入るとライトアップされた舞台に椅子が4つ並べてありました。舞台には物販販売のお知らせや注意事項が映写されておりました。

蛹は前列の席で、なんと座席番号が11でした。偶然ですが、何か今日この座席に座ることを、生まれる前に神様と約束したような気分になりました。

「展示されていたイージスの盾」

入室が早かったせいか、大勢の「冒険者」様が入ってこられるのを見ることができました。ここに来ている人達は皆、ヴァナディールの空気を、例えばアトルガンエリアの空の高さと美しさを知っていると思っただけで、嬉しさと懐かしさが入り混じった同窓会に参加した時のような感情を抱きました。

17時半になりました。

声優様達が登壇され、朗読劇が始まりました。劇の物語を解説しながら感想を述べようと考えていたのですが、2024年2月24日までなら配信で観ることもできるようなので、ネタバレは極力控えようと思います。

最初の劇では、世界で一番かっこいいアブクーバの声を聴けました。いつもナジャ社長の影にかくれて脇役のアブクーバが、声優の佐々木望様の力で主人公のようでした。このお話を聴いて、まだ一度も手をだしたことのないからくり士で急に遊びたくなりました。あとチャチャルンをもっと呼び出して遊びたくなりました。

第二幕では、クリルラ、ナジ、クピピの三国トリオが登場。私達「冒険者」が通過してきた限界クエストに挑戦するんですが、なぜ今更そんなことをするお話しをしているのか？最初は不思議に思いましたが、お話の時系列がわかった時、私達「冒険者」を歓迎し労う素敵なメッセージがこめられている事がわかりました。この辺りから、蛹の唇は震え、目頭が暖かくなってきました。クリルラの声はもう浅川悠様の声しかイメージできなくなりました。

またレッドロータス（ナジ）→セラフブレード（クリルラ）を声入りで連携していただき、切断のSEまで入れてくださり、日本中の赤魔道士様が歓喜に沸いたのではないでしょうか。

第三幕では、五蛇将のお話でした。声優さんは四人しかいらっしゃられないからスペシャルゲストがいるのかと思いきや、確かにシークレットでご出演された声優様が三名おられましたが、将軍のうち二人は捕虜という展開に会場は笑いに包まれました。その上で更にガダラルは会場の笑いを引き起こしますから、笑劇の一幕でした。

第四幕では、声優の加藤英美里様が、ヴァナディールに異世界転生するというお話で、大変楽しめました。「もしも〇〇が□□だったら」という今どき風のお話の設定を歴史あるヴァナディールにもちこみ、初期の「冒険者」様の思い出が走馬灯のように蘇るポイントが宝石箱のように散りばめられていました。

そして最後に「峠」のネタがあんなにも素敵な物語の「結び」としてでてきて、お話を聴いていらした赤魔道士のプレイヤーは涙なしにはいられなかったでしょう。蛹はこのお話で交わされる「簡単に破けない魔法のスクロール」って、私達「冒険者」が大切にしてきた想い出の比喩の様に感じました。

第五幕は、リリゼットが行ってしまった黒き未来のお話でした。このお話を朗読劇の最後にもってきたのは、大変ずるいと思いました（褒め言葉です）。白熊寛嗣様によるラゾースが大変素敵で、こんな頼もしい配下がいればきっとリリゼットもがんばれると強く感じました。

物語のクライマックス

蛹の瞳から不意に涙がこぼれあふれ流れました。

蛹はこの第五幕を聴きながら、「ヴァナディールの星唄」の最後に登場するイロハのシーンを重ねざる得ませんでした。

リリゼットと私達は永遠の別れをしました。

それは世界を守るためという非常に重たい使命があったからです。

会場に来られた皆様、そして配信で観られた皆様。リリゼットが憑依したかのような加藤英美里様の紡がれる言葉には

長い時間が経ったとしても、私達が成し得た「縁（えにし）」は永遠（とわ）であることが伝わってきましたね。

蛹だけではなく、お話の最後の締めくくりで私達は確かにリリゼットに逢えたとお感じになられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。時が経ったからこそ、どんなに時が移ろい人生が変化していっても、私達はリリゼットにまた逢えたことに感動し、人生において再会の価値を理解できるのでしょう。こうした理解は、生きることに意味を与えてくれる大変素晴らしい体験に他ならないと感じます。

蛹はこのリリゼットのお話は日本語を理解できるプレイヤー様だけでなく、海外のプレイヤー様にも届けてほしいと願わずにはいられません。

リリゼットのお話だけではなく、今回の朗読劇の全てを海外の人にも観て理解してほしい。

なぜなら

FFXIというゲームが内包しているメッセージ性やテーマ、開発様と「冒険者」の私達が紡いできた「物語」には普遍性があると考えるからです。

リリゼットは、どんなに困難でも、私達が困っている時、どんな手段を使っても助けにくると強い意志で劇中おっしゃってくださいました。

蛹は感じます。

最初は石から始まったこのヴァナディールという世界は、「石の記憶」でも謳われている

「永遠を超えてさしのべられた手と手は
　もう、放されることはない
　もう、ほどけることはない」　（引用：「FF11用語辞典」様より）

このメッセージに22年経っても再び戻ってくるコンテンツに、限られた人生の中で巡り会えた。このような豊かで素敵な体験をFFXIというゲームは与えてくれるんですね。

もう少し言葉を重ねるならば

この22年目を迎えるオンラインゲームという大変儚い関係性の世界であるにも関わらず、私達は今でも確かにつながり続けることができている。この証こそが、今回の朗読劇の開催なのではないでしょうか。

FFXIというゲームが私達の人生もたらした様々な価値や人生の意味。今日ほどそれらがどんなものなのかを強く感じ考えたことはなかったかもしれません。

最後に

朗読劇を主催していただきました角川様、ならびにFFXIの開発者様、シナリオを書かれた先生、演出家の先生、声優の皆様、そして同じ時間を共有した全ての「冒険者」様に感謝いたします。ありがとうございました。

「異世界転生中のアフマウ」

・追記

・加筆。（2024年2月17日）

・引用を明記。(2024年2月18日）

・誤字脱字修正。（2024年2月28日）

「『異聞 ウタイビト』FFXI朗読劇に参加して。」

「『異聞　ウタイビト』FFXI朗読劇に参加して。」