あしたへ
木村 永遠
寒さに負けずに
雪解けの中で
綺麗に咲いた梅の花が
散った後に
桜を待つ季節が
やって来た
行きたくても
行けなかった学校
先生が工夫を凝らした授業だと
思ったけれど
タブレット越しだからか
先生の息遣いは感じられなかった
やっとクラスメートの顔を
間近に見て
大笑いしたと思ったら もう卒業
やっと部活の大会で
練習の成果に
涙したと思ったら もう卒業
クラスや部活や委員会や生徒会の友だち
同じ電車やバスで通った友だち
学校までの道を自転車で競走した友だち
しょっちゅう遅刻して
担任から何故か一緒に注意されて
横を見て思わずにっこりし合った友だち
寂しさや悲しみにさえも負けないで
耐えて耐えて来た僕たちは
桜を待つ季節に 卒業する
そして一緒に過ごした時間が
少なかったからか
それぞれの道に進んでからも 誓う
こころはいつも一緒に あしたへ
(月刊Marco Polo3月号掲載詩)
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