年の離れた兄貴は私が6歳の時に、板前の修行にと…船に乗ってどこかへ消えた。


お見送りに行った時は、優しい兄が居なくなって悲しかった。


兄は優しいけど世の中ではヤンチャという部類であったようだ。




姉は2人。

10歳と7歳違い。



母は他所の人に説明するとき「三姉妹」を強調してたからあの兄は一体誰だったのかその時の私にはわからなかった。



そして聞いてはいけないパンドラの箱だということも。



姉2人は大人しく真面目な性格で悪いこともせず、厳しい母親に従順であった。



年の離れた”三女“の私は、甘やかされて育ったせいか1番破天荒であったそうだ。



しかしながら眉間にシワを寄せた顔しか見れない日々は続いていたため、私はここの家の子ではないのかもしれないとまで思っていた。



昔のジョークで「アンバーはダストボックスに落ちていたからかわいそうで拾ってきてやったらお前だった。」とよく言われていた。



子供の頃は割と本気にしていた。



私の本当の優しいお母さんが迎えに来てくれないかな〜とまでおもった。



母は姉達のように従順ではない私に手を焼いていたのだろう。



しかし愛情がなかったわけではない。


彼女なりに努力していたのだと今は理解できる。



今は。



その愛情を違うところで満たし、欲したがために私は愛を探していた。



これが19歳で結婚に至った私の経緯だ。



続く