言葉 | Fantasy Communication

言葉

今日も彼女からメールはこなかった。
親の遺産で僕は1人で暮らしている。
僕と外界をつなぐのは彼女だけだ。彼女からの連絡が途絶えると
僕は世界に取り残される。
とりたててやることもなく時間が過ぎる。
僕は君のことを考える。もう何度も考えたが、飽きることはない。
彼女のことを思って自慰してみる。
想像の中では彼女は優しく、僕を愛している。
裸になった彼女に導かれ僕は小さくうめく。
ただ、終わった後、若干の哀しさに包まれる。
---ほんとうは彼女は僕など愛していない。
だから、夢の中で彼女が行った言葉「好きだ」とか「愛してる」だとか
そんな言葉が哀しい。言われるはずのない言葉。
現実は揺るぎなく横たわっており、想像すればするほど苦しくなる。
でも想像をやめられない。
彼女が僕に鉈を振り下ろすまで僕の苦しみは続く。
だが苦しみの中の少しずつの幸せだけを糧に僕は生きる。