平蔵様は、ケーブルの絶縁体には「テフロン」が良いとされています。

 
「テフロン」はデュポン社のフッ素樹脂やその加工製品商標ですので、
一般にはポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene, PTFE)です。
なんだか舌を噛みそうですがPTFEで良いでしょう。
 
ちなみに500円ちょっとの
テレビ用DACに用いていたケーブルは潤工社のETFEでした。
作業性が良いのと、メッキ線なので酸化の心配もなく愛用しています。
WikipediaによればPTFEは完全フッ素化樹脂に分類され、
ETFEはフッ素化樹脂共重合体に分類されます。
 
PVCが駄目で「テフロン」が最高だとの事なので・・・・
しばらく、現場やネットでケーブルを観察して参りましたが
テフロンが絶縁体として使われているところは・・・・観られませんでした。
長年の使用が予想される極めてお堅い設備においてもです。
オーディオ向けのケーブルにおいても採用は皆無に近い状況。
 
観察の中で分かったことは
オーディオ向け、およびお堅い設備でも同じ素材が絶縁体として使用されていました。
それは・・・PE(ポリエチレン)です。
mogami や MONSTERケーブルではことごとくPEでジャケットはPVCです。
HS&TのエコなケーブルもことごとくPEです。
(日立金属、鉄道関係のケーブルの絶縁体もPE (MLFC® )
 

さて、話題にあがった 拙宅のセカンドシステムの透明シースのケーブル。
イメージ 2
図:MOSTERケーブル
 
MOSTERケーブルの安物です。平蔵様が忌み嫌う透明なやつです。
別段、これで音が悪いとは感じませんし現時点で緑色に錆びている事もありません。
透明なので酸化しているかどうか目視できるメリットもあります。
 
2020/04/07 追記:
この安物は、PVC(ポリ塩化ビニル)ではありません。
Duraflex®(熱可塑性ポリウレタンフィルム)です。MONSTERが販売しているTPUフィルムのブランド名です。
アコリバさんの フォーラム でPVCと間違われ、「知ったかぶり」
盛大にディスられていましたが・・・勘違いですのでお間違いなく。
透明なものすべてをPVCだと思っておられるのでしょうか?それは「知ったかぶり」とは言わないのでしょうか。
ついでに、件のフォーラムの「知ったかぶり」の記述のなかで、
一つ注意すべき一節があるのでついでに書きます。
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「メッキの厚みは数μと薄く
 導体表面の凸凹によってはメッキがかかっていない部分も出てしまうため
 特性は暴れ、音質は荒れて劣化したものとなります。」
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↑この 一節 です。
 
2022/06/18編集:
JIS において工業用 銀メッキの厚さ は 「最小厚さ」として
「0.5    1.0    3.0    5.0    10.0    20.0    30.0    50.0    100.0」μm に 分類されています。
「メッキの厚みは数μと薄く」←この時点で、誤りです。断点は無理。
決めつけてはいけません。 それに・・・
メッキが無い部分があるのは不良なのではないでしょうか? 知らんけど。
銀メッキの目的を知っていても、 肝心の 銀メッキ厚を知らない事は
「知ったかぶり」 と 違わないのですか? 
 
「「その程度の耳と感性の持ち主」としか言い様がありません。」
とは 言いたい放題 言ってくれますますね。ほんと。
そもそも、私が使用している銀メッキケーブルの素性も知らないで・・・ 何が言えると言うのでしょうか。 nightwish_daisukiが使用する銀メッキは粗悪品で音が荒れているとでも言いたげです。
 
銀メッキケーブルにも 色々ありますが 全く 眼中にないようです。
ちなみに、当ブログに写っていた銀めっきケーブルは
航空宇宙用のカプトン被覆・銀めっきケーブルで、オーディオ用でもなければ市販品ではありません。
金属部分の分析結果は Ag5.70% Cu94.03% Zn0.08% Pb0.09% その他0.10%と報告されています。
編集ここまで
 
 
イメージ 3
図:MONSTER の Duraflex®
 
(過去、安物の100Vの電源ケーブルで、被覆を剥いても
 電線が黒ずんでいるものがありました。 新品購入だったのですが捨てました。)
 
平蔵様がPVCらで心配される耐用年数。
可塑剤が染み出すという不良品?を一般論として論じるべきではないと思います。
ビニール電線も普通に使用されていますので。
イメージ 1
図:HS&Tの技術資料より
 
 
結論:
ケーブルも色々。
PVCとテフロンしか無い訳ではありませんので、技術情報に目を通されるのが良いと思います。
モガミは沖に吸収されてしまいましたが、技術情報は引き続き、モガミ電線創業者の平林氏が
ネットで公開されています。 http://www.intex.tokyo/
 
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HS&T技術情報
 
HS&T環境配慮型エコグリーン電線ケーブル (ぜんぶPE)
 
モガミ電線カタログ (後半に技術情報あり)
 
沖電線の高屈曲ロボットケーブル「ORPケーブル・シリーズ」など
 
日立電線:産業分野別のケーブル
 
MLFC® 難燃性ポリフレックス電線
 
 
MONSTERケーブルの宣伝
モンスターケーブルは、サンフランシスコ在住のミュージシャン、レイザー技術者でもあった ノエル・リー氏によって 1978 年に創立されました。 一般的にはまだ「AC 電源用のケーブル」をスピーカー・ケーブルとして使っていたこの時代に、 彼は独自の「マルチゲージ・ワイヤーネットワーク構造」のスピーカーケーブルを 開発しました。 これは、音が電気信号に変わってケーブルを伝う時、周波数帯域による伝達速度の違いを 効率よく、ゲージとワインディングで解決した世界初のケーブルでした。自身のパテント構造を採用したモンスターケーブルは、明らかなサウンドの違いから、たちまち多くのミュージシャンやエンジニアの注目の的になりました。
 
そして、現在では世界トップクラスのケーブルメーカーとして不動の地位を築き上げ、 レッド・ホット・チリ・ペッパーズの Flea、エアロスミスやザック・ワイルド、スラッシュ などなど ... 錚々たるミュージシャンやエンジニアから絶大な支持を受け、使い続けられています。
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おまけ
黄色っぽい電線。人工衛星でお馴染みのカプトン®です。
宇宙産業用の銀メッキ線で熱に滅茶苦茶強い。音質とは別です。
銀メッキ厚の表示はありませんが銀含有量の%、ほか、含有成分の分析表が添付されていました。
少なくとも メッキが無い部分があるような 不良品とは 違うものと思いたいですね。
イメージ 4
 
 
ああ、そうそう!! 
Amazonベーシック の スピーカーケーブルはアルミ
イメージ 5
図:https://ameblo.jp/stwq/entry-12017664555.html より引用,左OFC?、右Amazon
 
イメージ 6
見た目は銅線、中身はアルミ。うーん。
アルミが許されるのはスピーカーのボイスコイルくらいじゃないか???
 
 
 
 
先に挙げたJISの工業用銀メッキ厚の規定。
JISといってもケーブルの規格では無い可能性もあるので具体的なケーブルの規格を探してみましょう。
下記↓のJAXAの資料によれば「ASTM B 298」に銀メッキの品質があり
JAXAでは「〇.〇μm以上」と決められているようです。
ASTM B 298 について少しだけ調べてみると CLASS-AからEまでの区分があり、例えば
CLASS-Eなら導体全体の10%以上が銀であることが要求されるようです。※詳しくはみていません
ケーブルに関する(軍用の)ミリタリー規格にはMIL-W-16878があります。これは銀メッキに限らない規格のようですが、
アメリカ軍の銀メッキ単線を買ってみたところ、ら銀メッキ厚が厚くて驚きましたよ?擦ったくらいでは銅は現れません。
銀メッキ不良のケーブルを引き合いに出して、
銀メッキケーブルをディスるのは何もアコリバさんだけではありません。
華麗な経歴に騙されてはいけません。商売人の売り文句を読むときには、
「それ本当に品質を担保された銀メッキなの?」と疑問に思うことが必要です。
 
 フォーラム  長い文章のなかで 前半は 良い事を書いているのに、
勘違いやメッキ厚の知識がないことが露呈して、せっかく書かれた良い事まで
最後の記述のせいで 台無しになってしまいます。