はじめに、今回の記事のアースとは大地アースです。感電を防止する方のアースです。
最初に申し上げますと一般に オーディオ機器に大地アースは不要 です。
不要ですが、やりたい人はお好みで・・・。(個人の意見です)

最近、ノイズフィルターをオーディオ機器に導入される方、
既にされている方がYahooブログ内で散見されるようになってきました。
しかし、アースしない事を推奨する方が複数いらっしゃいましたので、
その事に関して異論を述べます。

イメージ 1
TDKのホームページより引用(http://www.tdk.co.jp/techmag/power/200812/index.htm

オーディオ機器に大地アースは不要と最初に書きましたが、
ノイズフィルターには 大地アースが必要です
(感電予防にはなりませんが金属ケースや大きな金属塊でも代用になります)

ノイズフィルターのFGは通常は金属ケースに接続され、ノイズの逃がし口となると同時に、感電しないために大地アースに接続されます。TDKもそうするように指示しています。

Yahooブログ内では、
ノイズフィルターのFGは大地アースしない事を推奨される方がいらっしゃいます。
 理由は「ノイズフィルターのFGは2個のYコンデンサの中点なので、
 大地アースとの間に50Vもの電位差があるので良くない。」というものです。
 イメージは分からないでもないですが、Yコンデンサは2200pF~4700pF程度です。
 50Hz/60Hzの商用電源の周波数の電流がこのYコンデンサをどれだけ通過するでしょう?
 実際、アースすれば大地アースとの電位差は無くなりますし問題ないように思えます。
 とはいえ私はは電気の素人ですので良く分かりません。。。
 くどくど書きましたが、TDKはノイズフィルターのFGは感電防止のため「必ずアースせよ」
 と指示しています。私はTDKの指示に従います。

②①に関連ですが、
 ノイズフィルターのFGをアンプのGNDに接続する事を推奨される方がいらっしゃいます。
 ノイズフィルターのFGはアースせず、アンプとだけ接続するそうです。
 こうするとGNDが0Vに保たれ音も良かったそうです・・・。ただし、ディファレンシャルモードのノイズには
 ノイズフィルターの効果が得られなくなるデメリットがあるらしい・・・・との事ですが、すみません。
 電気の素人の私には理解できませんでした。(ノイズフィルターから効果を奪う事が可能なのですか?)
 TDKが感電防止のためにアースせよと指示するのは、 
 先のEMCフィルタの基本回路を見ると分かるように、商用電源とFGがコンデンサ1個を介して
 接続されているからです。電源トランスによるアイソレートも何もありません。
 アースを取らずにアンプのGNDと接続するとどういう状況になるでしょうか?
 極端な絵を描いてみました。 右のアンプは「真空管ギターアンプの工作・原理・設計」の著者
 「林正樹」様のホームページからの転載です。良著ですのでおすすめです。

イメージ 2
 危険な香りがしませんか???
(商用電源と金属ケースが、コンデンサを介して接続)

※Yコンデンサはもう1個ありますが省略しています
※このYコンデンサを介して多少ですが漏洩電流が流れます。


最後にTDKの技術情報を紹介して終わりにします。
なぜアースしなければいけないのか?です。

イメージ 3

ノイズフィルタのFGをアースできない場合、
ノイズフィルタのFG端子には何も繋がない方が安全です。ノイズ減衰性能は多少落ちるかもしれませんが、FG端子に直接指を触れない限り安心。


ノイズフィルタのFGをオーディオ機器などの金属ケースに接続すると、オーディオ機器を通じての感電の機会が増すだけの気がします。また、コモンモードノイズの逃げ場所がFGなのですから、これをアンプに接続すると
アンプにノイズが流入する恐れすらあります。繰り返します。
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●一般にオーディオ機器に大地アースは不要
 ※アースから逆にノイズを貰う事になりかねない
●ノイズフィルタに大地アースは必要
 ※ノイズを逃がすために必要,感電防止にはならないが金属ケースや金属塊でも代用可
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素人の私が間違っているのかもしれませんが。。。
以上、異論でした m(_ _)m