録音機器をお持ちでなくても、
Windowsの再生音の録音はソフトによっては可能です。
n氏オススメの「Audacity」が一つの例ですし、
ネットラジオを録音する人も居るでしょう。

(注意)
本記事で取り上げる 「ループバック」 はソフトウェアによるループバックです。
再生機器の出力を録音機器にケーブル接続するハードウェアのループバックとは異なります。
本文中、ハードウェアでのループバックは 「ループバック接続」 と表現して
ソフトウェアによる 「ループバック」 とは区別します。

本日はその録音の質についての検証です。
果たしてビットパーフェクトは可能でしょうか?
(WASAPI共有モードを使用します)

Audacityをインストールしてみます。
まぁ使いやすそうです。

【準備したもの】
 ●パソコン(Panasonic Let's Note   Windows7)
 ●WAVファイル(24bit 48000Hz 18秒 ピークレベル95%) ※オリジナルデータ
 ●WindowsMediaPlayer12 ※再生に使う
 ●Audacity ※録音に使う
 ●Creative WaveStudio 7 ※音声の前後カットに使う・音質劣化しなければ別ソフトでもいい
 ●比較ソフト(WaveCompare,WinMerge) 

2017/05/20追記 
WaveCpmpareにも前後カットの機能ありました。ファンクション釦を押下です。
劣化が無いのでCreative WaveStudio7の代わりに使えます。 n氏情報thk!


①録音デバイスは全て無効にしておく (ループバックなので録音機器は使用しません)
イメージ 1

②WASAPI共有モードの設定:録音したい音源のサンプリングレートと合わせます。今回は48000Hz。
 ディザ付加処理を避けるために24ビットは必須です。音源が44100Hzの場合は44100Hzにします。
イメージ 2


Audacityを起動します(画面は既に録音中画面です)
 赤枠で指したサンプリングレートが 「何もせずとも」 ②で設定した値(48000)であることを確認してください。
イメージ 3

Audacityの設定:デバイス(WASAPI & ループバック)
イメージ 4

Audacityの設定:品質(サンプリングレート & ビット) 後述しますが32bitがコツです。
2017/05/20追記  32bitは不要となりました。後述します。
イメージ 5

⑥WMP12でWAVを再生してAudacityで録音します
イメージ 6

Audacityから録音データを保存(書き出し)します (内部では32bitみたい)
イメージ 7
イメージ 8
オリジナルデータと同じ形式で保存します。そうしないと比較できませんので。32→24bit誤差出るかなぁ?

⑧オリジナルのWAVと保存したWAVの、前後の無音部をカットします。
イメージ 9
【操作補足】
WaveStudio7 は、WAVを読み込ませてから上図の通り 「無音除去」 を 「1回だけ」 します。
画面の波形が変わらなくても気にしないで下さい。表示更新がうまくいってないだけで、
ちゃんと除去できています。※画面を小さくしたり大きくすると表示が新しくなります。
これが済んだら 「名前を付けて保存」 です。 が、ここで一つ注意。
ファイルの名前を入れる画面の下の方に 「互換性」 という枠があるので
[CreativeMediaSource]に付いている●を [その他のWaveエディタ] に付け直し、変更しておきます。
この状態で保存すれば一般的なwavとして保存できます。

2017/05/20追記
WaveCpmpareにも前後カットの機能ありました。ファンクション釦を押下です。
劣化が無いのでCreative WaveStudio7の代わりに使えます。 n氏情報thk!


⑨WaveCompareで比較します。
イメージ 10
不一致ですが、ちょっと待って下さい。
左右の値の差をみると、どれもこれも差は「1」のように見えます。※全部見たわけではないです
そして相違はたったの849個。

⑩WinMergeでも比較してみます (白が一致,赤が不一致) ほとんど一致
イメージ 11

⑪いたずらして、24bit精度で録音したらどうなるでしょう?
イメージ 12
イメージ 13
このようになります(黄色が不一致)
2017/05/20追記
24Bit出力でビットパーフェクト可能でした。後述しますがディザの設定が不一致の原因でありました。

【まとめ】 WASAPI共有モードにおいて
Audacityを使ったループバック録音でビットパーフェクトは実現できませんでした
 (しかし32bitで録音すれば問題ないレベルで録音が可能に思えます)
※デバイス指定を WASAPI するのは絶対にお忘れなく。DirectSoundを使ってしまったり、ビット深度
サンプリングレートなど重要な設定をミスすると結果がズダズダになります。今回はやりませんでしたが、
気になる人はWindowsのリミッターも無効にしておきましょう。
2017/05/20追記
ビットパーフェクト可能となったので取消線。後述します。

Audacityを使っても、USBDACなど再生デバイスをループバックに使ったら
 ビットパーフェクトが可能だったのかもしれません。
 (今回使用したのはノートPCに付いてる標準のサウンドデバイスです)
あるいはAudacity以外のソフトにパーフェクト可能なものがあるかもしれません。
2017/05/20追記
ビットパーフェクト可能となったので取消線。後述します。

Audacity ではなく WaveSpectra を録音ソフトに用いて、外部録再機器を
 ループバック接続にした録音ではビットパーフェクトが可能でした。
  下記の記事を参照。


おわり


nochoice1様のphilewebブログより
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ビットパーフェクトにならない録音ソフト

デジタル出力 が ビットパーフェクトにならない
USBオーディオインターフェース Roland UA-4FX
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※使用ソフトや機器によってはパーフェクトに至りません




2017/05/20追記

後述お待たせしました
Audacityの24Bit書き出しで、結果が不一致だらけになったのは
Audacityがディザを付加していたためでした。
ディザの付加をしない設定にすることでビットパーフェクトが可能でしたので、
その設定を掲載します
「高品質変換」のディザリング 「無し」 
一応、 「リアルタイム変換」 の方の ディザリング も 「無し」 にしておきます。どこに効くのかは不明。
サンプリング周波数変換も両方 「BestQuality(Slowest)」 にしときました。
イメージ 15



さーて結果は!?
イメージ 14
バッチリです。


入力から出力まで 同じビット深度 & サンプリングレート で 通してあげれば、
ラジオでも何でも パーフェクト録音 ですね。 あ、
本当に パーフェクト 狙うなら リミッター回避 も必要 ですのでご注意を。
今回はリミッターの閾値に届かない録音レベル最大95%で試験しています。

●リミッター回避の手段はこちら

2017/05/20追記 ここまで