次第にメガネはそのムンの訪問を待つようになりました。
彼は彼で、
メガネが庭にいてもまるで意に介さず、
自分のしたいように振る舞うのです。
そうして出会って三か月程が過ぎたある日、
たまたま洗濯をしていたメガネは、
ある事が気になりだします。
彼は洗濯機の排水を飲むのです。
これはいかんだろ。
メガネは慌てて家の中へ戻り、
使い捨ての紙の器に牛乳を注ぎました。
そして急いでそれを彼の前に置きました。
彼は最初キョトンとしておりました。
しかしながら二、三度器の中身を嗅ぐと、
やがてペチペチと音を立てて牛乳を飲み始めたのです。
しかしながらまだこの頃は、
メガネは彼をどうしようという考えは取り立てて持っておりませんでした。
ただ一つだけ確信いたしましたのは、
こうして野良の暮らしをする事は果たしてこの猫の本意であったろうか…
いや、
そうではあるまい。
…それだけでした。
(続く)