『陽射し』 | 思い出の花

『陽射し』


浜辺に付けた足跡も波に消え
写したフォトも風に飛ばされた
ただ ただ強い光だけが
射す真っ白な思い出

蝉声は鈴虫に成り
トンボは赤く成り
風が冷たく成った

開けていた窓も閉めて
部屋の空気が少し重く
薄着に一枚着せて寂しさを隠す
ただ ただ透き間風だけが
吹き抜ける現実

陽が傾くのが早く成り
日の終わりが早く成り
独り時間が長く成った

褪めた肌と冷めた気持ちが
夕暮れ時に影を引く
夏の終わりを感じ
心は波にさらわれ
想いは風に飛ばされた