先日、満月でした。



その日の夜はとても空気が澄んでいて、凍てついていて、鋭くて。


遠くの雲ですら月色の支配下にあって、ちょっと幻想的でした。



ただ、よく考えると珍しい光景でもない。



冬。満月。澄んだ空気。


並べると綺麗ですが、どれもありふれている物。


なのにどうして心を奪われたんだろう。



ありふれているモノ。


心の琴線に触れたのは、誰の指?



不意に思い出した台詞は 「花を綺麗だと思うキミの心が綺麗だよ」 という台詞。


ボケーっと店の生花を眺めていたらからかうように言われた皮肉(笑)



でも数年前のそんな数秒のやりとりが答えでした。



そうか。


この空を美しいと思ったのは。


自分がコレを美しいと受容したからか、と。




ならばいつか、醜いと思っているモノも美しく思える瞬間が来るのかなぁ、とか。



そんな事を考えたり。




古来より月っていうのは美しく語られるものなのですが。



それは誰かが最初に「美しい」と言って、その価値観を広めて、同調されたからなのか。

つまりは誰かが創った価値観なのか。



あるいは、本当に、本能的に人は月を美しいと思う生き物なのか。



ただ僕は月を仰ぎ見る生き物を他に知らない。





だから、改めて、人間で良かったと思った夜でした。