人口的に作られた無音の部屋、「無響室」というものがあります。
音というのは振動です。
その振動を吸収する素材を壁に敷き詰めると、無音の部屋が完成します。
音が全く響かない、という特性を活かして実験を行うための特別な空間。
(例えばスピーカーの性能チェックとか、家電の騒音レベルを調べるための実験)
そこでは音を発生させる物が自分しかいないため、照明を落として目を閉じたりするとヤバイらしいです。
周囲に音を発生させるものがない、振動が無い。
そして視覚を閉ざしてしまえば、後に残るのは匂いと、足下の感覚のみ。
浮遊感を覚えるらしいです。
あと耳鳴り。
そして異様な緊張感や不安を覚えるそうで。
なんと幻覚まで見えるそうです。
自然の中では絶対にあり得ない、人工だからこそ作れる異常空間。
それが無響室。
長期に渡ってそこに留まると、精神的に病むそうです。
怖いですね。
では、耳が聞こえない人間は、どうだろうか。
聾者(ろうしゃ)という、聴覚に障害を持っている方々です。
無響室に滞在すると、人は精神的に病む。
しかし失聴している方々は、別に精神を病んでいない。
この違いは果たして何なのか。
そして、聾者の方が無響室に入ると、どのような状態に陥るのか。
世界は広いので、そんな実験をした人がいるかもしれないとネットで検索を試みたのですが。
該当する記事は見当たりませんでした。結構一生懸命探したんだけれども。
聞こえるが故に、聞こえないという状態を恐れるのだろうか。
無響室に入った人達は、好奇心から声を発する。
やがてその好奇心は不安や緊張感に変わり、それを打ち消すために声を発し始める。
……後天的に音を失ってしまった方々の苦悩は、筆舌しがたいのですが。
ただ無響室に入っただけの者と、失聴という絶望では、比較するまでもなく後者の方が重い。
だから気になる。
音の無い世界とは、発狂すべき地獄なのか。
それとも、果てしない苦悩の末に「慣れて」しまうものなのか。
無響室。
いつかは入ってみたいものです。
「音の無い世界」 だなんて、ファンタジックなタイトルを付けて、またいつものポエムが来ると思ったか?
残念だったな!!
最後になりますが、私は聾者の方々に対していかなる悪意も持ち合わせておりません。
誤解や曲解はさけていただけると幸いであります。
それでは。