勇気、というヤツは出し方に二つあります。
一つは決意を持って、必ずそれを達成するという気概です。
もう一つは、目を閉じて銃弾の雨の中を突っ切る無謀です。
ヘッドショットを食らえば、誰も生きて帰れない。
けれど比喩の弾丸は命を奪わず、僕の強さを殺していく。
勇気と無謀が違う、というのは物語の中ではよく出てくるフレーズですが。
友達 「パチンコ行こうぜ」
僕 「……いや、時期が悪いだろ」
年末です。
何のイベントでもありません。
ただの日曜日です。
新台もありません。
友達 「まぁ、まぁ、まぁ」
僕 「……五千円までな」
ヤツは早々に大当たりを引いた。
友達 「うっひょーwww」
僕 「くっ……」
五千円が湯水のごとく消えていく。
ファック。撤退の時間だ。
友達 「うひょーwww」
僕 「ちょ、何箱積んでんだよお前!」
僕は勇気を出した。
僕も勝ちたいと思った。
だが運命の女神は僕を拒絶した。
僕 「………………」
友 「……う、うひょー」
ぼく 「もうおかねないから、さきに居酒屋でのんでるね」
友達の提案で回転寿司に行った。
サビ抜きを頼んだのに、彼の注文した大トロにはわさびがキッチリ入っていた。
僕に必要なのは、勇気と言う名の無謀ではなく。
そう、撤退する勇気だったのだ――――。