夜中の12時。ジョギングしました。


夏の夜。近場の浜辺を攻めてきました。



海は非常におだやかで、風も無く、なんだか「凪(なぎ)」と言った様子。


人も少なくてとても静かな夜でした。



僕 (防波堤の方に行ってみるかな……)



あまり深く考えず進行ルートをぐいぐい変更。


やがて防波堤の果てにたどり着いた僕を待っていたのは、素晴らしい光景でした。




星空。


 満天とは言えませんし、少し曇り気味です。月が無いのが特に残念。


 ですがそんな夜だからこそ、面白い光景を実感することが出来ました。


 海側の空は暗く。けれども街側の空は白く霞んでいたのです。


 そう、人工の明かりが空を照らしているのです。


 その明かりが届かない先は闇空。その境目を眺めます。


 寝転がってみると、人工の光は如実に世界を照らしていました。

 



海。

 満潮気味で、かがんで手を伸ばせば余裕で手首まで濡れるほど。

 しかし満ちている割には凪で、波音はちゃぷちゃぷと可愛らしいものでした。


 けれど遠く、浜辺の方の波音はザァザァと、穏やかで優しい音を立てています。


 寝転がって間近の水面を眺めていると、なんだか落ち着かない気持ちになってきます。


 不安とか。スリルに近い動悸とか。とにかく落ち着かない。



僕 (……すごくでかい蛇とか出てきたらどうしよう)



 なんて妄想すると、その不安感は加速されます。


 軽自動車ぐらいの頭を持つ、巨大なウミヘビ。というかいっそ怪獣。


 ミドガルズオルムでしたっけ。それともヨルムガンド?



 広い海から、化け物がゆっくり出てくる……という妄想。


 怖い。怖いわー。海見てると不安になるわー。星空でも見るかー。



 星空と、波の音。涼しげな風。


 ああ、気分がいい。


 とても満たされている。




 一人で夜の海に来てこんなことしてる僕はちょっと変な人かもしれないけど。


 たぶんみんなやってみれば分かると思うんですが、かなり気持ちいいです。


 アロマセラピーなんてメじゃないです。




僕 (んんんん~~ いつまでもここにいたいけど、そういうわけにもいかないか……)




 やれやれ、と立ち上がろうとしたその時。


 僕の耳に、女の子の嬌声が。





女 『ぎゃははははははは!!』


僕 「な、なんて下品な笑い方だろうか……」




 音の出所が分からない。よく聞こえるけど、ここ防波堤よ?


 対岸まで60~80メートルはありそうだ。


 だけどよく聞こえる。




僕 「……夜だから?」



 遮蔽物もないし。こういうのが「声がよく通る」ってヤツなんだろうか。




僕 「ふーん。まぁ僕には関係ないや」




 さっさと立ち上がって、ジョギングを再開します。






女1 『あっ、ちょ! やべぇってマジで!』


女2 『嘘でしょー!?』



僕 (うるせぇ……近所迷惑だろ……)





 さっきまでの気分が台無しだ。


 そう苦笑いしていると、僕よりも早い勢いで彼女たちは駆けていきました。



 視線を動かすと。そこにいたのは。





警察 「はーい、駐車違反ねー」


女1  「マジで!?」


女2  「一万五千円の罰金刑!?」



警察 「とっとと動かせよー」


女s 『……はーい』







僕は思った。


色々と思った。



でも、とりあえず一言でまとめるなら良い夜だった。





みんなも走って体力付けようぜ!


今週もよろしくお願いします!