数年前の誕生日。




親父殿 「これをお前にやろう」


僕    「なに……この……ガスタンク?」




高さ五十センチ。


半径十五センチくらいの、ガスタンクである。




親父 「実は貯金箱になってんだ」


僕   「へー。珍しいね。ってかデカすぎだよwww」




父 「頑張って満タンにしてくれや」


僕 「ははは。ありがと」





一年前。




僕 「そういえばあのガスタンク貯金箱。五十円と百円だけ入れてるんだけどさ」


父 「……あ-。あれか。貯まったか?」



僕 「まだ十分の一だよ。デカすぎるしアレ」


父 「まぁな。二種類だけだと……満タンにするのに10年以上かかるなw」



僕 「20年は要りそうだよ。一円、五円、十円はなんか入れても嬉しくないしね」


父 「そうかそうか。使ってくれてんだな。作った甲斐があった」





僕 「……作った?」


父 「そうよ? あれ、空のガスタンクを俺が改造したの」




工エエェェ(´д`)ェェエエ工




僕 「マジかよダディ。え、嘘。マジで?」


父 「おう。ペンキ塗って、知り合いの工場で機械借りて、コインの投入口開けて」



僕 「すげぇー! 俺、てっきりどっかで買ったかと思ってたよ……」


父 「慣れだ、慣れ。あんなもんすぐ作れるようにならぁ」







ちょっと前。





僕 「あのガスタンク貯金箱なんだけどさ」


父 「おう」



僕 「作った、って言ってたよね」


父 「うん」





僕 「最近気がついたんだけど、あれってどうやってコイン取り出すの?」





元ガスタンク → コイン投入口を作成 →→→ え、どうやって出すのコレ?






父 「出せないよ?」


僕 「えっ。なにそれこわい」







曰く。出すんならダイヤモンドカッターみたいなので破壊するしかないそうです。



え。


ちょっ。


おまっ。





僕 「ち、貯金箱じゃねーよそれ!」


父 「貯金箱だろ。ブタの貯金箱はハンマーでブッ壊すのが常識だ」




うん。


そうだね。


ブタさんの貯金箱は、新聞紙を広げてハンマーで壊すね。



でもね。




僕 「一般的なご家庭にダイヤモンドカッターはねぇよ!!」



渾身のツッコミである。実父にため口である。






父 「俺、持ってるぜ? 壊してやるから持ってこいよ」



しかし、容赦の無い切り返しである。





僕 「違う、違うんだよ父さん。親からもらった大事なプレゼントなんだよ。出来れば壊したくないんだよ」


父 「息子よ。壊れないモノなんて無いんだよ」




僕 「少なくともアレは100年経っても壊れねーよ!!www」


父 「ぶはははwww鉄筋だしなwwww」









我が親ながら、変わった人だ(笑)