Barでお酒を飲んでいて。


僕 「恋人欲しいけど、一人が楽なんだよね。でもどっちが正解かは正直わからん」


って言ったら、隣にいた彼女が「じゃあさ、付き合ってみよう」 なんて冗談を言ってきた。



僕は 「ナイスジョーク」 とつぶやいたんですが、彼女は真顔でした。



僕 「え。なに。なんですか」


女 「マジで言ってるんだよ?」



「耳がおかしくなったと思った」 ……なんて文章は何度も見てきましたが。


でもそれに似た状況下に陥って僕が思ったのは 「脈絡と現実味が無いな」 という冷めた意見でした。



僕 「……唐突すぎるぜぇ」


女 「そういうケースもあるでしょう」




冗談ですむ引き際は既に逃している。


ここまで引っ張って「やっぱ冗談ですw」というのは面白くない。


面白くない冗談なんて、口にする意味がない。


という理屈をもって、僕はその告白を信用しました。



するとどうでしょう。信用したからこそ、それが現実だとは認められなくなりました。


これが理想という純情を腐らせた男の末路です。嗚呼、悲劇的(笑)



僕 「いや、っていうか、なんだ。お互いのことまだよく知らないわけだし」


女 「それは男が言う台詞じゃないと思うんだけどなぁw」



(今考えると)僕は彼女を軽くフッていたわけですが、彼女は笑っていました。



僕 「そもそも。うん。そもそも、なんでその結論?」


女 「その退屈そうなお話は長くなる? 返事だけなら一秒ですむと思うから、先にどうぞ」



僕 「……………………えぇー」


女 「なんだよ男らしくないなぁ。まぁそんなことは前から知ってるわけだけど」



いつもより彼女の口調は早くて、多くて、なんとなく「緊張してるのか」と察した。



僕 「確かに返事だけなら秒で終わるよ。でも決断を一秒でくだすのは、ちょっと難しい」


女 「そうかなぁ。だって、付き合わない理由が私には思いつかない」



僕 「大した自信だねw」


女 「自信なんか無いよ」



彼女の熱が少し冷める。


あ、ようやく僕の知ってる空気になってきた。



女 「じゃあ、なに。いわゆる一つのゴメンナサイなわけ?」


僕 「そうじゃなくて……えぇ~…………とりあえず一杯飲んでいいですか」




どうぞ、と片手が出されたので、目の前のロックなる飲み物を空にする。





僕 「………………じゃあ、よろしくお願いします」


女 「…………おう」




彼女が 「ぶ、ふぅー」 と大げさなためいきをつく。


そしていきなり肩を殴られました。




女 「遅すぎる。焦らしプレイなんざ金輪際ゴメンだから、よく覚えておいてね」


僕 「いきなり尻にしかれた僕の明日はどっち」




こっち、と言って彼女は両手を広げた。



その店には僕たち以外にも人はいたわけだけど、焦らしプレイは嫌いらしいので僕は素直に彼女を抱きしめた。

















というわけで。








     *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *







今夜のテーマは 「微妙に信憑性がありそうだけど、冷静に考えると嘘に決まってんだろコノヤロー」 でした。



ちなみに原案は、今書いてるサスペンスの没シーンでござる。


「明日はどっち」 「こっち」 という臭いやりとりが嫌いじゃないので流用してみました。





めでたし、めでたし。