巷に流れる音楽の歌詞について考える。
特に私が好んで、もしくは嫌悪をもって思考するのが「一人じゃないから」という歌詞についてだ。
あのように執拗に、しかも大勢の歌手が「一人じゃない」と繰り返し訴えかけている様子はどう考えたって異様なのだ。
夜は静かだ。だから、音楽を聞き流さず、きちんと聴ける。考えられる。
あのように繰り返される「一人じゃない」というフレーズについても思考は及ぶ。
それは真実か? 人が本当に一人ではない、ということを訴えているのか。
あるいは虚言か? 見たくもない現実から逃げているだけなのか。
――――まるで子供に、自分に言い聞かせているようでひどく具合が悪い。
そして私はいま、一人である。
きっとこれを読んでいるあなたも、一人だ。
同じ画面で、同じタイミングで読んだとしても。あなたが二人いるわけではない。
ここでクイズを出そう。
世界で一番有名な言葉(フレーズ)は?
答えはご存じの通り 「I Love You」である。きっと30億人には通じるであろう。
だが戦争は無くならない。愛は売っていないが、鉛玉は20セントも出せば買えるのである。
そんな風に、斜に構えて物事を捉えるのなら。
あなたは一人じゃない。
(――――笑わせてくれるじゃないか)
こんな私の性質を、少しはご理解いただけるのではないだろうか。
だが、ここまで突き詰めて物事を考えると、カウンターが生じる。
(我ながら酷い考え方だ) (極論だよなぁ) (そもそも言及するポイントがズレている)
それは私ではなく、僕の意見。
そもそも「一人」とは? やや哲学的なきらいはあるが、そこから考えるのが筋であろう。
貴方は一人だ。それは絶対である。貴方は二人いない。
貴方は一人か? 問うまでもない。例えDNA配列が完全に一致する者がいたとしても、それは貴方ではない。
つまり、一人とは 「唯一」 であると言い換えられる。
そして「貴方は一人じゃない」 という歌で謳われるのは。
これは「孤独ではない」という、魂の話しではなく関係性の話しになるのだろう。
だが、しかしだ。
そんなことは 当たり前 なのだ。
(――――二つの意味で。
まず孤独ではない、という意味で。
そして歌われているのは関係性の話しである、という意味で)
貴方は一人ではない。
その着ている服は誰が作った。
住んでいる家は誰が建築した。
[この文章]を映し出す機器は、誰がどのように開発し、構築し、洗練させ、送り出した。
買ったのは貴方だが、買うためには「作る者と売る者」が必要なのだ。
人類とは群れで生活する生物である。
山奥で人知れず生活する者がいたとしても。
その環境を手にするためには、必ず誰かと接点を持たなければならない。
よしんば、この世に生を受けた瞬間から山奥や密林で一人、生きたとしても。
それは既に人では無い。獣だ。
貴方は孤独ではない。なぜなら貴方は生きている。
そして人間は一人では生きていけない。だから貴方は孤独ではない。
生きている ニアリーイコール 孤独ではない。
しかし、ここまで書いた持論もピントがズレていると言わざるを得ない。
何故なら現代社会において「作る者と売る者」とは、結局「他人」のことであるからだ。
孤独には二種類ある。
絶海の孤島で感じる孤独。
そして、人混みの中で感じる孤独。
大昔は違った。
隣人は家族のようだった。
同じ国、同じ村、同じコミュニティに属する仲間だった。
そこには「他人」、つまり「関係性の無い者」なんて一人もいなかった。
だが現代社会。
人間は増えすぎて、密度を高め、その分だけ心を離した。
今や隣人は他人なのだ。
いくら多くの「人間」に囲まれていたとしても、その人間が「他人」にしか過ぎないのなら。
ああ、きっと「自分は独りだ」と感じてしまうのだろう。
そこが絶海の孤島ではないからこそ、絶望は彩られる。
そして謳われるのだ。
「貴方は一人ではない」と。
「世の中は他人ばかりではない」と。
結局はただの慰めではないか。
孤独感を覚える者は、他人に囲まれていて、一人なのだ。
なのに「一人じゃない」だって? ――――本当に笑わせてくれる。
繰り返そう。「一人じゃない」という言葉は、ただの慰めだ。
そして気がつく。
その慰めにすがりつく者がいる、ということに。
私にとって「一人じゃない」という言葉は。
欺瞞であり、空虚であり、ただの慰めで、戯れ言だ。
嘘とまでは断じないが、少なくとも真実味には大いに欠ける。
だがしかし、必要なモノなのだ。
需要のあるフレーズなのだ。
だからこそ、あそこまで執拗に供給される。
そして気がつく。
必要とされているモノを 「戯れ言だ」 と感じる、断じる、そんな僕は。
僕 「……あれ? もしかして僕ってちょっと変人?」
い、いや……まさか……そっ、そんなわけねぇよ!
僕は普通だよ! 極々平凡な、すご~く一般的な草食系男子だよ!
もしかしたら絶食系かもしれないけど!!
どのくらい普通って、コンビニでお茶買うと高いから郊外のスーパーで二リットルのお茶を一気に二ケース買っちゃうくらい堅実な男だよ!
あと百円とか拾ったら普通にすげー嬉しいし!
人は孤独を感じることはあっても、孤独ではない。
他人ばかりだとしても、いつかは友達になれる。
そんなこと、ちょいと考えればすぐに分かるでしょうよ。
ひねくれ者の僕には 「一人じゃない」 なんて歌詞、いくら語呂がよくても書けない。
そして逆説的に。
こんな風に歌詞にかみついている僕は。
きっと、寂しいからって駄々こねてる子供に似ているんだろうなぁ。
ということを延々つらつらとメモ帳に書いてるわけですよ。
いや、本当のこと言うと、流石にちょっと修正したわけですが。
読み返してみても話しのポイントが飛びまくってるから、まぁ読みづらいことこの上ない。
読み手に読解力を要求するなんて、小説家とは呼べませぬな。反省はんせーい!!
ちょっと読みやすい小説書いてきます。
それでは、今週もよろぴこおねがいしゃす!!