僕は普段、サスペンスやらサイコサスペンスやらミステリーサスペンスやら書いてるわけですが。
それでも不意に、必殺技とか考えます。
もちろんサスペンス小説には使えません。ただの息抜きです。
だってそうでしょう?
事件の犯人を必殺技でブッ飛ばす探偵役なんて、それはもうサスペンスとは呼べない。
犯人 「くっくっく……お前は俺を罰せられない!」
主役 「どういうことだ!」
犯人 「お前が俺を罰するという行為自体が、罪だからだ! 正義の味方にゃ出来ない行為さ!」
主役 「正義の代行が罪だと言うのか!」
犯人 「その通りさ! それで話しは終わりさ! くらえ、必殺――――!」
主役 「させるか! 必殺――――!」
犯人 「Go☆Show☆Ha!」
主役 「Ka★Me☆Ha☆」 (★=繰り返し)
うん。なんかのアニメみたいだ。
あるいは仮面ライダー的だ。
最近考えた必殺技は、刃物で相手を刺したら血じゃなくてバラが飛び散る、というものです。
演出、という意味ではなく、現象としての必殺技。
題して 「必殺☆ 出血も流血もなく赤く命を散らすアタック!」 です。
ホワイトアウトする背景!
スローになる世界!
そして飛び散るのは、血ではなく花!
任侠モノでもこれで安心!
メリットは超常現象を用いての殺人罪及び傷害罪の適用回避と、罪悪感の軽減。
更にはドラマチック演出の容易さと、グロテスク描写の回避が可能という、制作者側にもお得な必殺技です。
問題は、本当の意味では「必殺」ではないということですが。
昨今、流血シーンは規制が多いものです。
とりあえずこの必殺を「必殺オルタナティブ」と呼びましょう。やっぱり止めましょう。
そしてやっぱり必殺技ですから。
かっこいい技名とか付けたいじゃないですか!
長ドス抱えた兄貴が 「往生せぇやぁぁぁ! 必殺! 出血も流血もなく赤く命を散らすアタック!」
なんて言いながら敵対する組の幹部に突撃しても、しまりがありません。クスクス笑われます。
やくざ映画というか、もうただのバカデミー候補じゃないですか。
なので、技名が必要なのです。
さぁ考えよう。
「出血も流血もなく赤く命を散らすアタック」 に格好いい技名を。
(真剣に考えてみる)
僕 「シンプルに……咲血、とかどうだろうか」
血色の花が咲く、という感じで。
しかしサッケツって、叫びづらい技名だ。
書き直すと「殺血」で物騒極まりないし。
……でも語感が 「喀血」(カッケツ。吐血と同義)に似ているから、雰囲気はつかめる。
あるいは逆の、血が咲くと書いて傑作と読みましょうか。血咲。
ただ長ドス抱えた兄貴が叫ぶもんじゃないなぁ。
――――そもそも、任侠映画の兄貴は必殺技の名前とか叫ばないよなぁ。
――――――――っていうか、そもそも、本当にそもそも、僕は任侠モノなんて書いてないなぁ。
僕 「…………なんだこの無意味な思考」
そして僕は乾いた笑顔を浮かべて、サスペンス小説の執筆を再開させるのです。
無意味な妄想に費やした所要時間は15分ほどです。
今週もよろしくお願いします。