情報社会。


インターネットの発達により 「全世界」 の一端に触れることが容易になった現代社会。



昔の人が見たら、神の仕業だとかアカシックレコードもどきだとか、知恵の集合体とか呼ぶかもしれません。



蓄積。累積。溜まっていく情報。


そこでは有象無象の洗練されたものと、洗練されなかったものがごちゃ混ぜになっていて。




よって、世界から斬新や新しいもの、というのが減っていくのです。



小説なんか特にそう。


「これは新しいぜ!」 と息巻いても、ネットでキーワード検索すれば出てくる出てくる類似品。


そして世界には僕より出来るヤツが腐るほどいるので、僕の心は粉砕骨折。






僕 「○○と××の▲▲物語! コイツぁ新しいぜ!」




検索結果 5835件



僕 「のぉぉぉぉぉぉ!!」





そういえば以前「適当に付けたヒロインの名前と、同姓同名のAV女優がいた」というトラウマを持つ僕ですが。


今回もしてやられました。



新作として書こうと息巻いたネタの、被り具合がハンパない。


五千件ってアンタ……。




吹っ切れて、書くか。


それともまた、頭を捻る日々を続けるか。



悩むところです。







僕 「よし。究極的に斬新な物語を考えてみよう……」



こうなったらヤケクソだ。


意地でも、検索結果ゼロを目指す。


トップページに表示された一覧の中に、それらしいものが無かったら僕の勝ち。


使用するキーワードは三つ。




勝負じゃ、全世界ぃぃぃぃぃぃ!!






僕 「ではさっそく」



深海 ・ 生まれた ・ 妖怪




僕 「…………あら。無いわ」




いきなり勝った。勝ってしまった。





僕 「…………もしかして俺、天才なんじゃね?」




よーし、お父さん張り切っちゃうぞー。


プロット作るぞー。




【深海で生まれた妖怪】



科学の発達によって駆逐された闇。そして闇に住まうモノ達は光と智恵に晒され、消えていった。


だが、この世にはその科学でさえ手が出せない闇が存在した。


光が当たらない世界。

宇宙よりも身近だが、宇宙に匹敵するくらいの謎を秘めた領域。――――深海。



前人未踏のその世界で、住処を駆逐されたモノ達の次世代が生まれようとしていた。





僕 「…………あれ? な、なんか妙な方向性になってるような気が………………」



おかしいな。


妖怪の話しを書こうとしたのに、気がつけばSFパニックホラーになってるじゃねぇか。


そもそも人がいない場所の話しだ。


ソレが人の世に出てくる理由が無い。合理性が、無い。



深海調査機が謎の消失を遂げて、それが始まりだった……みたいな、ハリウッド的な。




自分で書いておいてなんですが、何か違うような気がする。





僕 「……検索。【深海調査機】 【謎の消失】 」




あ、出た。


なんだこれ。アニメ?




『謎の海洋帝国と戦う若き青年・沖進の活躍を描く。「宇宙戦艦ヤマト」の松本零士の壮大な海洋アドベンチャーコミックをTV化。「ヤマト」のメインライターを務めた藤川桂介がシリーズ構成と脚本を担当』





僕 「宇宙戦艦ヤマトかよ! 勝てるかこんなもん!!」





2003年のアニメが出ました。



僕の検索したワードは、奇しくも第一話のタイトルと同じモノでした。



謎の海洋帝国、というのは僕の発想外ではりましたが……。


ベースとなる発想が似通ってるので、なんだかなぁ、といった感じ。



知ってしまった以上、書く気は失せる。


や、そもそも書く気は無かったんですが。五分で作ったプロットに未練なんて無いわけで。





僕 「…………………………」




斬新。


嗚呼、斬新。



ネタの神様おりてこーい。