夕方に出勤して、朝に帰る。


人間の基本生態に対し、真っ向から反逆している雪尋です。




朝の微妙な時間帯に帰宅すると、若者と多くすれ違います。


夜の街でなく、繁華街の方なんですけど。



感心するのは、道ばたで平気な顔して眠ったり、騒いだり、踊ったり。


眉をひそめるより早く、純粋に「すごいなぁ」と思います。そのあと「ばかかこいつら」とか思います。



僕は青春時代に「無茶をした」という経験がありません。


強いて言えば、恋愛で悩んでいた友人と共に川にダイヴした思い出くらいでしょうか。


無論、殴り合いのケンカなんて一度も……うん、殴り合いは一度もしたことないですね。


(たった一度だけ、からまれた記憶はありますが。ちなみに全速力で逃げました)




話しがそれた。





嗚呼、青春。


甘酸っぱくて、ドキドキして、くだらないことで悩んで、つまんねぇことに一生懸命。


嗚呼、青春。



そんなもの、僕には一切無かった――――!




よく考えるまでもない。僕は高校時代、ラグビーしかやってない。それ以外の記憶が無い。


それはそれで青春なんですが、僕の青春は血と汗と涙と汗と砂埃と汗と汗ばっかりじゃねぇかこの野郎!


みたいな感じでした。



いかん。「汗」がゲシュタルトの崩壊を起こした。「汗」と書いて「あせ」と読む。うん。確認しないと読めなくなる。



また話しがそれた。



とにかく、僕の周囲は桃色青春だったのに、僕の青春は血色でした。タックルで鼻血ブーですよ。まったく。




(以下、回想)



友達 「あー。…………恋愛してぇ」


僕   「恋がしてぇ」



友達 「やっぱり? こう、毎日毎日泥まみれになってさぁ……つれぇよなぁ」


僕   「練習きついよね」



友達 「ああ、誰でもいいから付き合ってくれねぇかなぁ」


僕   「え、誰でもいいの? マジ? すげぇなお前。プロだな」



友達 「いやいやいや、ある程度のレベルは必要よ?」


僕   「…………具体的には?」



友達 「具体的にはって、そりゃ…………つーか、説明とかいる? いらんだろ? フィリーリングじゃん?」


僕   「 ? 」



友達 「いや、ちょっと待て。お前も恋愛したいんだよな?」


僕   「恋してぇなぁ」



友達 「誰でもいいから……じゃなくて、とりあえず誰かと付き合いたいんだよな?」


僕   「は? 誰と? つーか、そもそも練習ばっかでデートする時間も無いのに、付き合ってなにすんの?」



友達 「え?」


僕   「え?」



友達 「恋愛したいんだよね?」


僕   「恋はしたいな」



友達 「誰かと付き合いたいよね?」


僕   「誰か……っていうか、こう、好きな人とは付き合いたいよね」




友達 「――――んんん?」




彼は首をかしげました。


ここらで僕はようやく理解しました。



説明しないと分からないのか、と。



僕   「ええと、つまり……彼女(恋人)なんて曖昧なものは要らない。l純粋に好きな人と交際したい」



彼はまゆをひそめました。



友達 「つまり、惚れ込んだ女以外に用は無い?」


僕   「用っつーか、どうでもいい人間に割く時間なんて無いよね。そういうのは好きな人に捧げたい」



友達 「え、なにその乙女みたいな発言。キモっ!」



彼は真剣に「気持ち悪い」と言い放ちました。傷つきます。



僕   「き、キモいか? でも、理解出来るだろ?」


友達  「理解は出来る。でもそれって建前じゃん。本音ではやっぱり(以下、思春期の暴走)」



友達は一生懸命に 「とりあえず誰かと付き合えば幸せだし、付き合った後で好きになるのもアリだろう。なにはともあれ、恋人がいれば満たされるんじゃね? 幸せが待ってるんじゃね? ファックしたくね?」 みたいなことを語りました。



僕は笑って、こう答えます。



僕   「いやいやいや。先生、そんなの時間の無駄じゃないですか」




友達は 「なにこのキモい生き物」 みたいな目で僕を見ました。




僕   「だって、そういう関係って終わりがすごく鮮明に見えるじゃん。別れるじゃん。簡単にバッドエンドじゃん」


友達 「なんだお前。付き合った女の子とは結婚するイメージまで固めるタイプか」






僕   「当たり前じゃねぇか。つーか、付き合ってなくても結婚の妄想くらい余裕でするわ!」


友達  「重っ! お前たぶん、一生彼女できねーよ!」




(回想終了)



いま振り返ると思うんですけどね。


「付き合う=結婚」 なんて定理が当時の僕にはあったわけで。モテないくせに。恋人いない歴=年齢のくせに。



確かに重いわ。




そして気がつけば 「付き合う=結婚」 が真剣におかしくない年齢になってしまったわけで。




時間って、残酷。


過ぎ去ってからその貴重性と意味と「取り返しが付かなくなった可能性」を叫び始める。



そんなわけで、僕は朝方の繁華街でたむろする若者を見て、僕は思うのです。



「すげぇな」 (過ぎ去った青春への憧憬。僕が出来なかったことを実行している彼らに対する賞賛)


「ばかかこいつら」 ( こんな時間まで遊んでねーで、勉強しろよ勉強! というオッサンくせぇ説教)



って。


要するに僕は、青春を知らないままにオッサン化してしまっていたのです。



ここまで書いて自覚したよ。




ひでぇな俺。




(主旨が不明で、オチが迷子。そんな日記もどき。これにて終了)