な、なんで今までこの人の本を紹介してなかったんだろう……。
と。気がついてビックリどころか驚愕した僕でした。
夢枕 獏
「飢狼伝」の原作者様です。 バキを書いた人が漫画化したアレ。
「陰陽師」の原作者様です。安倍晴明。映画化もされましたね。
さて……どの本を紹介すればいいんだろう……。
三日ほど前に、陰陽師を読みました。「夜行杯ノ巻」を。
久しぶりに著者の本に触れたのですが、やっぱり面白かったです。
陰陽師はサクサク読めるのがいいですね。
幻想的な雰囲気も、風雅(ふうが)で素敵。
毎エピソードで、安倍晴明と源博雅が出かけるシーンになると、必ず挿入されるやりとりがあります。
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。
鬼を退治しに行こう、笛を取り返しに行こう、お姫様を見に行こう、誰かを助けに行こう、と。
源博雅が積極的に、面食らいながら、嫌々ながら、安倍晴明に付いていくシーンです。
こんな簡単な「お約束のシーン」すらも、毎回情景が違って見えたりします。
小説の良いところです。同じ文字列でも、意味や光景、全てが毎回違う。
そして正解は読者が選べる、と。これだから小説を読むのはたまらない。
僕は著者の 「キマイラ」 というシリーズが好きだったのですが……。
いかんせん終わりが見えない。この物語は長い。
だから 「完結するまで続きを読まない」 ことにしました。
新刊が出る度に、全巻読み直すのは結構重労働だからです。
あの誓いから八年。 まだ完結してねぇ。
(それどころか、完全版は9年ほど新刊発売されていない)
小説や漫画が好きな人なら必ず考えることなんですが、
「作者、死ぬんじゃねぇぞ」と。僕は十年間ずっとハラハラしてます。
また 「涅槃の王」 という作品では ブッダ が悟りを開くシーンを書き上げました。
真っ向から、仏様の内面を描いたのです。
人が本当に、本当の意味で、一切合切、森羅万象、全てを肯定するシーンです。
もう何年も前に読んだ作品なのに 「肯」 と書いて よし と読んでしまうのは、この本のせいです。
これは完結しているので、根性のある人は是非読んでください。
一冊読み切りも多く刊行している方です。っていうか著作が異様に多いです。
流石は十歳から小説家を目指していた男。
ヒマラヤ山脈に登った経験があるのですが、果たしてそれは「登りたいから登ったのか」
それとも 「小説を書くために登ったのか」。(神々の山嶺、という本を書かれています。面白かったです)
真剣に判断がつかない方です。
ちなみに飢狼伝は読んでないんですよね。
キマイラと同じく、完結してないから。
完結したら読むぜ。大人買いするぜ。
まとめ。
「陰陽師」 幻想的です。時に神々しく、時に生々しく、時にグロテスクで、時に優しく、全てが美しい。
「キマイラ」 最後に読んだのは何年前だ? ずっと続きを待っている。
「餓狼伝」 漫画ですら読まないようにしている。完結したら、原作から入りたい。期待と確信がある。
というわけで、陰陽師を読むといいです。
短編集だから、サクサク読めます。おすすめ。
では、長くなりましたがこの辺で。
みなさま、良い夜を。