両親も祖母も持っていてわたしが受け継がなかったもの。
それは緑の指。
コスモス、ラベンダー、ローズマリー。シクラメン。
朝顔、向日葵、沈丁花。
名も知らぬ盆栽の鉢植え。小さなサボテンも。
生まれた時からずっとわたしの周りにはグリーンがある。
祖母はよく草取りをしていて、わたしは手伝うわけでもなくよくそれを眺めていた。
うさぎの飼育係だった時はよくハコベを毟って食べさせたりもした。ハコベは庭の隅に簡単に増えていく。祖母が抜いても抜いても生えてくる。
母が晩年引っ越した最後の家では、コスモスは面白いほど増えていった。
そんなのを見ていたら簡単だって錯覚する。
わたしだって当たり前のようにグリーンを育てて増やす事ができるって。
大人になって自分の子どもが生まれてすぐはどんな鉢植えも水遣りする余裕がなかった。トピアリーのローズマリーは立ち枯れし、何年も家には植木はなく、買ってきたお花が部屋を飾るだけだった。子どもが植木鉢の土をいたずらしちゃいけないって学んだと確認したあと、何年か振りに幾つか鉢植えを買った。
家の周りにもあったアイビー、テーブルヤシ、それからポトスやサボテンなんか。
それらはわたしにも育てられた。水遣りして時々植え替える。
猫がいたずらしないように土をカバーする必要はあったけど、1株も枯らさずに育てられた。
他州に引越しする時に全部友達にあげてしまったけど。
今の家は一軒家、外には木もたくさんある。生活が落ち着いてから家の中に置く植木を買ってみた。
そうしたらポトス以外何にも育たない。
今はやりの多肉、エアプランツ、なぜか枯れてしまう。アイビーはよれよれし、ミントも萎れた。
ググって水遣りも気をつけてるのにナゼ??
才能がないと言えばそれまでなんだけど。
家の中もグリーンだらけな家にしたいのに、わたしのドリームハウスはまだまだ実現にはほど遠い。
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