この映画は昨年2017年8月に韓国で公開された作品です。
公開前から話題だったこの映画は、観客数1,200万人以上を動員しましたね。
私も是非観たいと思っていた映画だったし、日本公開も楽しみにしていましたので、
はい。先週4日金曜日に観に行ってきました。レイトショーで( ̄∀ ̄)
初めてレイトショーへ行きましたが、魅力は前売りより安く観られることと空いてること(´艸`)
阪神・淡路大震災後、神戸のほとんどの映画館は建て直されましたが、今回行った映画館も、
昔はよく行っていたところで、新しくなってからは初めてでした(新しくなって何年も経ってますけどもww)。
背もたれがものすごく高い椅子でね~初めはちょっととまどいましたけど、なかなか座り心地もよかったです。
ま、そんな話はどうでもいんですけどね( ̄∀ ̄)
この映画は、1980年5月に韓国光州市で実際にあった光州事件を題材としています。
韓国映画あるあるだと思うんですけど、明るい流行歌で始まったこの映画は決して明るい内容ではなく、
時間を追うごとに重い内容になっていきます。
そしてここ数年、私は毎年5月に『光州5.18』という映画を観ています。
題材的には同じ事件を扱っているのですが、『光州5.18』は事件の内側から見た話で、
今回の『タクシー運転手』は、主に事件の外側から見た話ですね。
両方の映画を観ると、より一層、事件がよくわかるかと思いました。
というのは、映画を観ながら、ところどころで『光州5.18』の映画のシーンを色々と思い出していたからです。
例えば、ソン・ガンホさん演じるキム・マンソプが、催涙弾が充満し始めた時、文句を言いながら、
鼻と口の間に歯磨き粉を塗るシーンがあるんですけど、
『光州5.18』にも、先生が学生たちに、目の下に歯磨き粉を塗ってやるシーンがあったんですよね。
当時の韓国では定番の、催涙弾対処法だったようなんですけどね。
そして同じ事件を扱っているので当たり前と言えば当たり前なんですけど、
街並みの様子や軍に一方的に市民が銃撃されてしまうシーンなど、私の頭の中でだけ、
『光州5.18』の映画のシーンも回想されていました。
以前のブログにこの『光州5.18』の映画について、何度か書いています。
最初は軽めな感想
★ 次はいきなり重く…( ̄∀ ̄)
★ 最後は繰り返しになりますが…
★
ということで、リンク先を読んで頂けると光州事件の概要のリンクもありますので内容がわかるかと思いますが、
今回の映画の公式サイトでも簡単にどういう事件であったかが書かれています。公式サイト
★
『1980年5月18日から27日にかけて光州市を中心として起きた民衆の反政府蜂起。
デモ参加者は約20万人にまで増え、全実権を握る軍が市民を暴徒とみなし銃弾を浴びせた。』という事件です。
映画『光州5.18』では、軍と戦う一般市民たちの話だったのですが、今回の映画は、
この事件のことを知らず、ただただ大金を稼げるということで外国人を乗せて光州まで行くタクシー運転手が
主人公となっているんですよね。
なぜ事件のことを知らなかったかと言うと、蜂起があったことはニュースで伝えられてはいるものの、
市民の方が悪いと伝えられていたんですよね。そして真実は伝えられていなかった。
この事件を知った時、真実を求めて光州市へ行って事実を映像におさめ、真実を全世界に知らせようとした、
本来は日本特派員であったドイツ人記者がもう一人の主人公です。
このユルゲン・ヒンツペーター(通称:ピーター)というドイツ人記者は実在の人物で、
映画の最後の方に生前のご本人の映像も流れます。
大金を稼ごうと軽い気持ちで光州までの運転を勝ち取ったマンソプは、やがて光州で事件を目の当たりにし、
この真実を世に知らせるためにソウルへ戻るか、光州市民と共に戦うことを選ぶか、葛藤することになります。
このマンソプ、ペーターが聞いた時に答えた名前キム・サボク氏ももちろん実在の人物ですが、
その後、ペーターが長年にわたってマンソプを捜すも、見つけられなかったそうです。
そんなキム・マンソプを演じるのは名優ソン・ガンホさん。
ソン・ガンホさんの演技に何の心配がありましょうや。
ガンホさんが、妻に先立たれて11歳の娘を一人で育てるマンソプを最初は明るく演じているのを見ていると、
これからやってくるであろう衝撃を思うと、その明るさが切なくなってきます。
韓国でもポスターが公開されるや否や、同じような意見が飛び交っていたとか…。
光州の中へ入り、その事件を、軍のあまりの無差別的暴力(これは暴力以外の何ものでもないと思います)を
目の当たりにした時、それでもソウルへ戻れと言ってくれる光州の人々の言葉へのマンソプの葛藤。
マンソプの気持ちが手に取るようにわかる、そんな演技だったと思います。文句なし。
そして上のポスターでマンソプが乗っている車ですけどね。これがかわいい形なの!
当時の車らしいですけど、よくまぁ何台もそろえられたな~と…(´艸`)
そして、ドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーター役を演じたドイツ人俳優トーマス・クレッチマンさん。
『戦場のピアニスト』などにもご出演されていたそうですので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
4ヵ月間、言葉の通じない韓国での撮影では、常に通訳を介しての会話だったようですが、
言葉において、その不自由な状況の中でも見事な演技でしたね~
マンソプとだんだんと心通っていく姿が、心を揺さぶられます。
そして、光州のタクシー運転手ファン・テスルを演じたユ・ヘジンさん。
ヘジンさんも、何の役を演じてもヘジンさんなんだけど、
でも演じればその人にしか見えず、その役にぴったりはまってしまうのもヘジンさんなんですよね。
家族を大事にし仲間を大事にする、光州の篤きタクシー運転手が、最後の最後まで観る者の心を打ちます。
本当に今の韓国映画になくてはならない名優ですよね(´∀`)
そして若者代表。通訳としてピーターと行動を共にすることになる大学生ク・ジェシクをリュ・ジュニョルさん。
何がって、このジェシク役が実は一番違和感があったかな?
いえ、ジュニョルさんの演技というわけではなく、戦っているジェシクに、イマイチ危機感というか、
悲壮感というか、そういうものが感じられなかったんですよね。
『光州5.18』では、学生たちにもう少し、危機感や悲壮感があった気がしたんです。
どちらが正しい、というのではなく、こういう感じの人が本当は大半だったのかもしれない。
そういうことを改めて考えさせられた役だったと思います。
ただ、リュ・ジュニョルさん、ソン・ガンホさんの口真似が上手(*≧∀≦*)
ガンホさん本人も大笑いです。
★
そして写真はありませんが、私が今回の映画で一番注目してしまったのは、私服刑事役のチェ・グィファさん。
軍だけでなく、私服警察たちも鎮圧という名の暴力に加わるのですが、
ピーターは映写機を回していたこともあって追われる立場となり、マンソプも共に逃げることになります。
この二人を執拗に追うのがチェ・グィファさんたちなんですよね。
笑顔など見せることもない、ただひたすらに冷たい役なんですけど、チェ・グィファさんと言えばそう!
『未生 ミセン』のパク代理でしょう?気が弱く、天使の羽まで背負ってたのにぃ~ㅠㅠ
パクデリニ~ムㅠㅠ と、その暴力をふるうシーンではなぜか泣きそうな気持ちに…ww
チェ・グィファさんも意外(?!)と記憶に残る演技をされる方ですよね。
『光州5.18』と『タクシー運転手』。
題材は同じでも、主だった出演俳優さんは被っている人は見事にいなかったと思います。
それもすごいな~と思いましたが、結果的にそれだけ多くの俳優さんがこの事件を題材にした映画に
関わったということでもありますよね。
私もそうでしたが、出演俳優のどなたかのファンであるなら、内容は重くても是非、ご覧になって頂きたい。
そんな作品だと思います。
今年は…『光州5.18』観るの、どうしようかな~?ちょっと体力的にキツイ毎日なので…(*v.v)。
でも、5月にこの『タクシー運転手』を観られてよかったと思います。
いつも思うこと。
光州市民のほとんどは、実は蜂起とは無関係の人が多かったのに、軍は誰彼かまわず暴力をふるい、
殺しかねない勢いで殴ったりするシーンが多いのです。そして無差別的な銃撃。
ここまでする必要はもちろんないと思いますし、なぜここまでしたのか?
人に上下の差などありません。誰もが同じ『人』であることに違いはないのです。
軍側だった人にもそのような気持ちの人も、実は多かったのではないかとも思っています。
今回の映画では、特にそう思いましたね。ええ。あのシーンね。
何にしろ、このような悲しい事件は、どこの国であれ、もう二度と起こってほしくないですね。
この映画はまだこれから公開される地域も多くあるようですので、お近くで上映されるようでしたら、
是非、映画館まで足をお運びくださいませ(´∀`)
公式上映劇場情報
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最後に、日本語字幕入りの予告編を貼っておきますね。ご参考に~




