この映画は、三浦綾子さん原作の1966年の作品なんですが、GyaO!の無料サイトで配信されていたので

 

古いですけど、いや、古いからこそ、あまり観られるものでもないかと思って観てみました。

 

私は、三浦綾子さんの原作の方を、初めて読んだのが…高校生くらいだったかな~?

 

それから何度も何度も読んだ小説でした。『続・氷点』という続編もあって、こちらも続けて何度も読みましたね。

 

日本でもこの映画の後、映画もそしてドラマも何度もリメイクされていますよね。

 

浅野ゆう子さんが出演していたものだったか?を観たことがあります。

 

そしてWikipediaで見てみると、韓国でも映画化、ドラマ化されたようですね。

 

うん。不倫、殺人、妻への嫉妬、復讐なんかが盛り込まれているので、韓国ドラマあるあるだし、

 

韓国人ウケする内容でもあるかもですね~(´艸`)

 

 

この映画は1時間36分という短さなので、小説は前後編の2冊にわたっての長さがありますから、

 

到底、映画の短い枠におさまるはずもなく…私は原作を何度も読んでいるので、自分の頭の中にある、

 

原作のシーンを補いながら観たという感じですかね~

 

小説はとてもよくできた内容で、色んなシーンが印象に残っているんですよね。

 

でも、それらのシーンはほとんど入っていませんでした。が、セリフの中に埋め込まれていたものもありましたね。

 

出演者の方が、本当に若いですよね。ま、50年以上前の映画なので当たり前ですけども( ̄∀ ̄)

 

特に、津川雅彦さん。

 

 

やっぱり若い頃からオトコマエだったのね~と、改めて思ってしまいました(*≧∀≦*)

 

でも、お声に特徴があるのですぐわかりますㅎㅎ

 

そして、船越英二さんも。

 

 

すっごくオトコマエ。船越英二さん、ご存知ですか?船越英一郎さんのお父さまですよ。

 

私は『暴れん坊将軍』の吉宗の御側御用取次役の爺が好きでしたけどね~(´艸`)

 

あの役の頃とは違って、若い頃は西洋人のようなお顔立ちが際立ってますね。

 

 

『氷点』の内容は、

 

医師であり病院長である夫・辻口啓造の出張中に、美しい妻・夏枝は夫の病院の眼科医・村井と自宅で密会。

 

その間にまだ3歳の娘がルリ子が行方不明になり、河原で見つかったルリ子は殺されていた。

 

ルリ子を喪った悲しみから、女の子をもらい子にしたいという夏枝。

 

啓造はそんな妻の願いを聞き入れるふりをし、親友でもある産婦人科医で、乳児院もしている高木のところに、

 

ルリ子を殺した犯人の子がいると聞いて、その子を夏枝に事実を伏せたままに引き取ることに。

 

高木には『汝の敵を愛せよ』を実行できるか、とうそぶき、内心は夏枝への復讐のようなものだった。

 

引き取った娘は陽子と名付けられ、ルリ子の兄でもある長男・徹も陽子を可愛がる。

 

陽子は可愛く聡明な子に育つが、啓造は一度も陽子を抱くことができずにいたが、そんなある日、

 

啓造の書斎を掃除していた夏枝は、啓造が高木に宛てて書いた手紙を読んで事実を知ってしまう。

 

夏枝はそれまで猫かわいがりにしていた陽子に拒否反応を示し、それとなくいじわるをするようになる。

 

周りの雑音もあって、やがて、聡明な陽子は自分が辻口夫妻の実の娘ではないことを感じ取るが、

 

その夏枝のいじわるにも耐えて負けず、いつも明るい陽子。やがて、徹も陽子の事実を知るようになるが、

 

陽子に兄としてではなく、男性として好意を持つが、兄として生きるために大学の友人である北原を紹介。

 

陽子と北原はお互いに好意を持つようになるが、夏枝は、そんな二人の間も邪魔をするようになる。

 

さらに夏枝はある日、北原の前で陽子に事実をぶちまけ…。

 

 

というような、ホントに1964年に書かれたとは思えないスゴイ内容なんですよね。

 

この原作は三浦綾子さんの処女小説で、朝日新聞の壱千万円懸賞の公募作品だったんです。

 

これが書かれた当時の様子は、三浦綾子さんの『道ありき』という自伝小説の中に詳しく書かれてあります。

 

三浦綾子さんの小説はたくさん読みましたが、その中でも今でも印象に残っているのは、この他に、

 

『塩狩峠』や『細川ガラシャ夫人』など、たくさんありますね~『塩狩峠』は映画も観ましたし。

 

 

この『氷点』は、クリスチャンでもある三浦綾子さんの小説らしく、『原罪』がテーマとなっています。

 

でも、『汝の敵を愛せよ』などの聖書の言葉も出てはきますが、

 

決してキリスト教を前面に押し出したものではありません。

 

ちなみに、続編の『続・氷点』のテーマは『ゆるし』です。

 

この『続・氷点』の方に出てくる言葉で(陽子がお祖父さんの家にいる時に読む言葉だったかな?)、

 

ジェラール・シャンドリという人の、

 

『一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなく、われわれが与えたものである』

 

という言葉が引用されている箇所があるんですね。

 

最初に読んだ頃は私も若かったですが、とても心に残った言葉でしたね~

 

そんな言葉を始めとし、とても印象に残るシーンが多いのもこの原作小説だと思います。

 

 

内容は重く、陽子にとっては悲しいこともたくさんあるのですが、陽子はいつも前向きで明るくて、

 

そして人の悪口を言ったりもせず、本当にとても良い子なんですよね。

 

誰からも愛されてもおかしくない、そんな陽子が、可愛がってくれていた母親からなぜかいじめられるようになり、

 

それでも文句一つ言わずに耐えるんですが、それがまた夏枝の癇に障ってふてぶてしいととられたり…。

 

そんな陽子に目をかけるのが、夏枝の親友でもあり、日本舞踏の師匠でもある辰子という女性なんです。

 

映画では森光子さんが演じてられました。森光子さんは好きですが、ちょっとイメージが違うかな~( ̄∀ ̄)

 

辰子は独身ですが、元々資産家の娘でもあるので、お嬢さまの夏枝に対しても臆することなく、歯に衣着せず、

 

夏枝にも結構言いたい放題のことを言うんですよね。夏枝もそんな辰子は、唯一の友達ともいえる仲で…。

 

徹や北原、そしてこの辰子や高木など、陽子を手放しで愛してくれる人物もたくさんいますし、

 

陽子自身も前向きな明るい性格な方なんですけど、それでもそんな陽子にも心が凍ってしまう『氷点』があった、

 

というのが、タイトルの意味なんですね。

 

ラストは意外な展開になるのですが、今ではあまり突飛とも思われないかもしれませんが、

 

この小説が書かれた頃なら、衝撃のラスト!くらいに驚きだったかもしれませんね~

 

うん。私も初めて読んだ時は、そんな驚きがありましたね(´艸`)

 

 

 

先ほども書いたように、映画で観ると、小説の多くの部分がはいっていないので、

 

ちょっと展開が急に感じるシーンもあるかなと思います。

 

原作を知っていれば、それぞれの頭の中で補足できるんですけどね~(´艸`)

 

そして、私としてはちょっとイメージが違うわ~という俳優さんがいなくもないんですけど、

 

さらには、イメージしていた風景が違うシーンもあったんですけど(*≧∀≦*)

 

韓国ドラマがお好きな方には特に、結構、今でも受け入れられる内容じゃないかな?とも思います。

 

 

もうあと数日しか残っていませんが、22日(日)までGyaO!で配信されていますので、

 

是非一度、ご覧になってみてくださいませ。矢印