現在、多くの企業が人材不足に直面しています。そして、その解決策として「女性や高齢者、障がい者の雇用を促進する」といった施策が掲げられることがあります。しかし、このような方針が問題の本質を捉えているかというと、非常に疑問です。

まず、今の時代において女性や高齢者、障がい者は「補充要員」ではありません。彼らも貴重な労働力であり、個々が持つ能力や経験は多様性に富み、組織の成長に貢献することができる重要な存在です。それにもかかわらず、「人手が足りないからこれらの層に頼る」という考え方は、全くの的外れです。そもそも、そんな「人手」さえも今や足りていないという現実があります。今こそ、安易な発想を捨て、真に必要な人材を見極め、戦略的に求人を行う時代です。

では、どのように求人を考え直すべきか?それは、ただ単に「空いた席を埋める」ための人材を求めるのではなく、企業の未来を見据え、業務をどう進化させていくか、そのために必要なスキルセットや価値観を持つ人材を集めるという視点が重要です。これには、従来の枠に囚われない柔軟な考え方と、時代の変化に適応した労働環境の整備が不可欠です。

そして、企業は求職者に対しても、ただ単に「募集要項」に沿った業務を提示するだけでなく、働き甲斐や成長機会を提供し、長期的な視点で共に成長できる環境を築くべきです。これによって、自然と本当に必要な人材が集まり、結果として持続的な組織の成長が実現されます。

人材不足を嘆く前に、まずは自社の魅力を見直し、求める人材像を根本から再考することが必要です。人材がいないのではなく、必要な人材を引きつける準備ができていないだけなのかもしれません。

 

ではまた

 

株式会社ニコネクト

代表取締役 森田晴夫