父が期間限定ではあるが入院した。

2人で話せる良いチャンスでもあるので、わたしは仕事の合間をぬいいそいそとお見舞いに通った。


父はわたしを大好きだ。

よくドラマに出てくるような、本当に心の底から命をかけたり全てをささげるような強さで、わたしを好きだ。

幼少期からそれはしっかり感じていて、それだけが、こんな育ちをしてきたわたしの中にも確かに存在している自己肯定感につながっているのかな、と感じる。


ただ、優しいとか怒られないとかではなくて、わたしを信じて、わたしを敬って、わたしを愛していることがわかるんだ。

こんな歳になって自分で言うのは気恥ずかしいけど、こんな歳になったから言えるのかな。


父が死んだら、きっと心にしばらくは穴が開いていると思う。

生きていく以上いつか必ずその穴はすっかりと埋まって寂しいほど何ともなくなることは、感傷的な性格でないわたしは充分にわかっているけれど。