鬱病と線維筋痛症(この時はまだ線維筋痛症という診断は受けていない)の闘病が始まってから、およそ4.5年が経った頃、私が27.8歳の時だった。

毎日少しの散歩と横になる日々が続いていた。


そんなある日リリーフランキーさんの本読んだ。

リリーフランキーさんが一般の人から相談を受ける内容だった。

内容はうる覚えなのだが、

うつ病だったか、引きこもりだったか、ある青年が時間ばかり過ぎていく、どうしたら良いのか?という相談をしていた。

リリーフランキーさんは、何でも良いからコツコツ何かを始めるのが良い。コツコツやっていればいつか大きなことになるし、それが話のネタになる。とアドバイスしていた。


私も自分らしいことは何もできずに過ごしていたから胸に突き刺さった。自分に可能性を見出せない不満が溜まっていた。


だけどこの本を読んで、何かやらなければ始まらないと思った。人生をテコ入れしたかった。


私は絵を描くことにした。

大きな模造紙を買ってきた。

最初から大きな絵を描くことにした。描きたかった。

ベットの横の床に大きな板を置き、模造紙を広げた。描こう!と思ったらベッドから降りてすぐに描けるように。

机に向かうのは背中が痛いから、うつ伏せなら描けると思った。


ルールを決めた。

・ボールペンでニコちゃんマークだけを紙一面に描く。

・毎日描く時間は23分でも良いし、しんどければニコちゃんを一個描くだけで良い。


塵も積もれば山となる。

毎日小さいニコちゃんをコツコツ描けば、いつか大きな作品になる。


ニコちゃんマークにした理由は、笑った顔を描いていればうつ病が治るかもしれないと思ったからだ。


私は始めた。

描ける日は20分くらい描いたし、しんどくて描くのがつらいなぁと思っても、ベッドから降りてニコちゃんを2、3個描いた。

毎日つらい闘病生活でも、1日の中で一瞬でも私が光る時を作りたかった。

その一瞬があるから今日という日を生きていて良かったと思いたかった。