心に傷を負っていても尚、人を笑わす事、誰かを元気付ける事、お笑い芸人への憧れはあった。

以前と同じような部活の時間に戻るにつれて、フォーストライアングルでのネタ合わせも少しづつ再開していった。
ただ、以前と比べ人目を気にしていたように思う。

年月も過ぎて、部活においての後輩が出来た頃にはいじめの記憶も薄れていたと思う。

後輩の数人は、フォーストライアングルに興味を持ち部活の時間一緒に笑い合った。
本当に楽しい時間だった。



そんなある日のこと、軽音部をモチーフにしたアニメにフォーストライアングルのメンバーの1人がハマった。
唐突に僕らに"バンドをやらないか?"って問いかけた

"神谷はギターな"

"そっか、わかったよ(歌謡漫談やるつもりかな)"


僕は言われるがまま、楽器屋に向かい一番最初に目に入ったギターを買った。
"小さくて弾きやすそうだし、他のに比べて弦の数も少ないから簡単そう"
そんな事を思った。




僕はウクレレを買っていた。