年末に、乳癌で
全摘手術をした母が
抗ガン剤治療で、髪が抜け落ち
ウイッグのカットをして欲しいと
美容室に来た。


手術後、初めて会う
母の姿は
髪も、なくなり
ひとまわり小さくなったようだった。



唯一してきた
親孝行の


髪を整えるコト



必要のなくなった母の姿。




あまり、いい家庭環境ではなく育った私は
母が事が
好きではなかった。


髪を整える必要がなくなった姿に
寂しく感じた。
それでも、ぶっきらぼうに
あーしたら?
こーしたら?
と、言うのが精一杯の
想い



お客さんとして、2ヶ月に一度
美容室に来る母に
あまり会話をする訳でもなく
シャンプーをし、マッサージして
髪を整えていく。
この一連の流れが
唯一、美容師の私が出来る
親孝行だったのだろう。




ここ、2週間
口を聞かない息子に
腹立たしさを感じ



親子って
なんだ!?
と、思う
私の


ひとり言。