バレエレッスンをコンスタントに行なっている。
それなりに、レッスンキャリアもあるし、週の回数だってそれなりにやっている。
ある日、レッスンキャリアが自分よりずっと浅い人の方が
・脚が上がっている
・脚が真っ直ぐでキレイ
・ヒップが小さい
と思った自分がいる…
バレエをやっていればキレイになれるはずなのに。
ちゃんとレッスンしてるのに。
先生が言うことをやろうとしているのに。
骨盤はできるだけ平らに、ヒップは小さく、できるだけ平らに動かさず。
もし、そう思っているのであれば、身体の仕組みを知ることで、意識できることがあるかもしれません。
前に・後ろに、締める・緩める、力を入れる・入れない、対義語が多いシーンでの対処とは?
JBPは、様々なお稽古場から、様々なレッスンキャリアを持つ人が、集まっています。
ですが、受講生の悩みは共通しているものが多く、特に個別に質問にいらっしゃる方に関しては、ほぼ同じような質問内容になっています。
最も多いのは、先生によって「同じ箇所を全く異なる注意を受ける」と言うもの。
最も、一人の教師についていても、日によって、同じ箇所を「この前は前と言ったのに、今日は後ろ」なんてこともあるようです。
もちろん、感覚を言葉にすると言う時点で、明確に表すことが難しい、ということもありますし、生徒さんの状況も日によって変わるわけですが、受け手からすると「どうしたら良いのかわからない」という、現象が起きてしまいます。
特に「ヒップ・骨盤」に関しては、極端なサジェスチョンが多く存在します。
私自身も散々経験してきましたので、受講者さんの気持ちは理解できます。
教師としての立場になると、担当の教師が、日によって変わってしまうのも、理解できます。
感覚によって、身体機能のサジェスチョンをすると、こういった問題が発生してしまいます。
一つ、考えなければならないのは、同じ姿勢、同じムーブメントで同じ身体の部位で異なる注意を受けた時、注意された箇所が原因で注意されているのか、他の箇所が原因だがその箇所が目立つため、フォーカスされることによって注意を受けているのか?です。
ヒップ・骨盤は、身体の中で大きなスペースを占める部分であるため、また「土台」と捉えることが多いため、非常にサジェスチョンが多い部分になります。
確かに、重要な部分ではありますが、実際には、非常に曖昧なサジェスチョン、指標となるものが見えにくいなどの「どうしたら良いかわからない、何を持ってヨシとするのかが不明」など、「バレエをやっているなら知っていて当然だよね?」と思われることが多い割に「ここを目指す」と言う明確な意思が持ちにくいという、難題を抱えがちな因子です。
こう言った問題で厄介なのは、生徒さんが教師に言われたことを積極的に取り組んでいても、お互いに明確な指標が持てないために、意図が通じにくく、それゆえに、生徒さんと教師との関係性の問題にまで発生してしまう、と言う点です。
教師が一生懸命説明する
↓
生徒さんが一生懸命、応えようとする
↓
お互いに「ここ」という明確な指標が持てない
↓
教師がさらにサジェスチョンをする
↓
生徒さんがますますわからなくなる
↓
もっとちゃんとやって!
もっとわかりやすくして!
の繰り返しになる。
と言ったら、わかりやすいでしょうか?
脚が太くなった、上がらない、曲がって見える、ヒップが大きい…素直すぎるからかもしれません。
言葉を額面通りに受け止める=あまりにも素直に言葉を受け止める
そんなタイプの人は、ここに悩みを抱えているかもしれません。
目安になるものがないために、あの手この手で対処しようとする…
頭の中がパニック状態になる…
初心者さんなら、この手のことでは悩まないでしょう。
疑問に思うほど、まだ、バレエのことを知らない段階ですから。
疑問に思ったということ、どうしたらいいのかわからない段階になったと言うことは、それだけ「成長した」と言うことの裏返しでもあります。
対義語が多いサジェスチョンに関しては、教師が何を見ているのか?を知ることが、最も重要なポイントになります。
できれば、目の前にいる先生よりも、ね。(笑)
教師もいろいろなタイプがいます。
同じメソッド、環境で育った教師だとしても、人間である以上、その人自身の感覚がありますから、生徒さんに要求することは、違ってきてしまいます。
そして、人生1回きり、同じ日はないと言うことを考えると(笑)、実際には、自分の身体しか知りませんし、自分の感覚しか知りませんし、自分の経験しか知りません。
もちろん、たくさんの人にバレエを伝えている経験から、サジェスチョンすることは、できるのですけども。
そう意味ではなく、Aさんという教師と、Bさんという教師は、親も違えば、手足の長さ、その日何をしていたか、違いますよね。
いたとしたら、クローン人間が、さらに全く同じことを24時間、365日を永遠に繰り返していることになります。
そういうところで、その時、何を見ているかは「バレエの基礎」が、共通していたとしても、違います。
まして、欧米のバレエ学校のように、カリキュラムでやっているわけではありませんし、キャリアが長い生徒さんにも、短い生徒さんにも、対応すると言う意味では、教科書通りにいかないことは、沢山あります。
教師が何を言いたいのか?
その先が見えるようになると、レッスン上級者、とも言えるかもしれませんね。
対義語が多いサジェスチョン「ヒップ・骨盤」に関しての教師の視点については、10月バレエワークショップ基礎で、具体例をあげて取り上げます。
教師の視点を一回り先に、知ることで対処していきましょう。
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