「聖マリアンナ病院」のニュースが世間を騒がせています。
指定医資格、不正取得か…聖マリアンナ病院(1)
聖マリアンナ医科大学病院（川崎市）で医師１１人が、厚生労働省が定める「精神保健指定医」の資格を不正に取得していた疑いがあり、大学が調査委員会を設置して事実関係を調べていることが１４日、わかった。
不正で指定医資格２０人取り消し 聖マリアンナ医大病院(2)
聖マリアンナ医大病院（川崎市）の医師が精神保健指定医の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は１５日、退職者を含む３０～５０代の医師２０人の資格取り消しを決めた。
川崎市にある「聖マリアンナ医科大学病院」で１１人の医師が、「精神保健指定医」の資格を不正に取得していた。
医師は法律で認められた「強大」な二つの「権利」を有している。それは「処方権」と「診断権」である。
それに加え「精神科医」の中で「精神保健指定医」は「入院などを強制できる」ことが法的に許されている。
「精神保健指定医」とは、精神障害のある患者の強制入院や、身体拘束が必要かどうかを判定することができる専門資格。
精神科医も「処方権」と「診断権」を有している。つまり精神科治療薬は精神科医が通常処方し、様々な手続きに必要な「診断書」は、精神疾患の場合「精神科医」だけが書くことができる。
では何故「精神科医」は、強大な二つの「権利」を有しているのに、「精神保健指定医」という専門の資格を取得したいのだろうか…
聖マリアンナ医大病院の不祥事の記事を読むと、この事件が「組織的」であることに気付く。
[記事抜粋]
・自分が関わっていない患者の症例を提出
・同じ患者の症例を使い回した疑いもある
・指導医９人も処分されている
キーワードは「精神病棟」
聖マリアンナ医科大学病院のホームページによると…
『病棟は48床の閉鎖病棟で、特定機能病院のなかの精神科病棟として、急性期の治療や難度の高い病態の診断や治療、ならびに精神障害に合併した身体疾患の急性期治療を身体診療各科と協力して行う。また高齢者や身体的ハイリスク患者、薬物療法に抵抗性のうつ病や統合失調症に対する修正型電気けいれん療法を行っています。』とのことである。
聖マリアンナ医大病院の精神病棟は「閉鎖病棟」で「電パチ」もする精神病院のようである。
ここからは「私の推測」であるが、組織的な事件だと感じる理由は…
病院経営を考えれば、聖マリアンナ医大病院が極力避けたいのは「空ベット」。
病院内で入院患者を確保することが「暗黙のインセンティブ」だったことは想像に難くない。
入院などを強制できる「精神保健指定医」が、院内で「発言権」を持つと考えるのは妥当である。
そして、マネージメント側としては精神障害のある患者の強制入院を判定することができる「精神保健指定医」を増員することが、安定経営の基盤になると考えても不思議はない。
今回の不祥事に関し、厚生労働省は「想定を超えた事案で、決してあってはならないことだ。こうした倫理観に欠けた行為が行われないよう対策を取っていきたい」とコメントした。
厚労省が精神科医に「倫理」を求めるのなら、倫理的でなければ儲からないような医療制度でなければならない。
ネットで検索すれば、「精神保健指定医」にまつわる「聞くに堪えない話」は枚挙にいとまがない。
多剤処方を今でも行い、副作用を「症状の悪化」としか診断できない「やぶ医者」の精神科病院は潰れてしまうほうが国民のためになる。
しかし、現実はそうではない。患者は「クスリ」を欲しがり、医者はその要望に応える。
個人経営の駅前クリニックは、倫理感の欠如した精神科医でなければやっていけない。
カウセリングに充分な時間を掛け、薬も単剤で４週間以上は処方しない。そんな精神科医が儲からなければ、いくら倫理感が云々と騒いでみても埒が明かない。
向精神薬は危険だと声を上げても、症状の悪化とクスリの「因果関係」を立証するのは困難である。
まず製薬会社は認めない。
仮に裁判をやったとしても、莫大な時間とカネを費やし、判決は「副作用は注意事項に明記している」と製薬会社はお咎めなしである。
自分の身は、自分で守るしかない。
故に私は「精神医療」には近づくなと、日々呟く…
nico
(1)指定医資格、不正取得か…聖マリアンナ病院
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150414-OYT1T50057.html
(2)不正で指定医資格２０人取り消し 聖マリアンナ医大病院
http://www.excite.co.jp/News/health/20150415/Kyodo_BR_MN2015041501001866.html