精神医療の「システム的な欠陥」 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

「メディカルリテラシー」が時代のキーワードとなり、関連書籍が出版され講演会も開催されています。

 

今日ご紹介するのは、医学博士で疫学者のベン・ゴールドエイカー氏の「講演映像」です。

 

彼の講演は、栄養学における極めて明白な問題から、製薬業界における非常に巧妙なトリックまで取り上げ、

誤った根拠についてユーモアを交え分かりやすく紹介しています。

 

私が「精神医療の真実」を知るのに、度々推薦図書として紹介している

『心の病の「流行」と、精神科治療薬の真実』 ロバート・ウィタカー 著

『暴走するクスリ? 抗うつ剤と善意の陰謀』 チャールズ・メダワー / アニタ・ハードン著

がありますが、正直言って難解で「読破」するには時間がかかります。

WEBの「講演映像」から関心のある「事例」を探し、それについての関連図書を読んでみることも一つの方法だと思います。

 

ベン・ゴールドエイカー氏はいくつかの分かり易い表現で、「医療全体」の問題点を明晰に指摘しています…

 

「全ての情報」が得られない… 今の医学における最大の「倫理問題」です。

全てが明らかにされなければ、「判断」することが出来ないし、私たちは何が「答え」を導き出すのは困難です。

『陽の光ほど効果的な殺菌剤はない…』

全てのことは「丸見え」になってきて、ただ単調な作業という「力の場」のようなもので守られています。

科学の「問題」に対して我々のできる最良のことは、フタを開けて「あれこれ」と触ってみたり、覗き込むことだと思います。   引用 : ベン・ゴールドエイカー:悪い科学とのバトル

 

陽の光ほど効果的な殺菌剤はない…

昨今の、議員の「政務活動費」問題…

情報公開され有権者がネットで領収書を閲覧できるようにするだけで不正が少なくなったと報じられています。 有権者の「視線」という「陽の光」ですね。

 

ただ単調な作業という「力の場」のようなもの…

「インフォームド・コンセントを求める」「レセプト請求する」「医療で疑問に感じた事をブログに書く」etc…  このような一人一人の「単調な作業」が集積されて「守る力」になると思います。

 

「公開バイアス(出版バイアス・公表バイアスともいう)(1)に関しても、彼は鋭く指摘しています。

 

「公開バイアス」は医学のあらゆる領域に影響しています。

これは医学の根本にある「システム的な欠陥」です。

私がコインを100回投げて、それからその結果の半分を隠すことをしたら

いつも表の出るコインを持っていると思わせることができます。

引用 : ベン・ゴールドエイカー:医者も知らない薬の秘密

 

これが、精神科医達が信じている「抗うつ剤がうつ病に効果がある」と信じさせている「公開バイアス」です。

 

つまり「精神医療」の「システム的な欠陥」です。

 

「薬害オンブズパースン会議」も下記の記事で「精神医療」の「公開バイアス」の危うさを指摘されています。

『公表されていないデータがファイザーの抗うつ剤が無効なことを示している』(2)

 

尚、講演中に登場する「抗うつ剤」レボキセチンとは…

有効成分 「レボキセチン」 Reboxetine

商品名 「ナリボックス」 「ベスプラ」 のことです。

 

それではご覧ください。

 

ベン・ゴールドエイカー:悪い科学とのバトル

http://www.ted.com/talks/ben_goldacre_battling_bad_science?language=ja

 

ベン・ゴールドエイカー:医者も知らない薬の秘密

http://www.ted.com/talks/ben_goldacre_what_doctors_don_t_know_about_the_drugs_they_prescribe?language=ja

 

  nico

 

 

(1)出版バイアス (公開バイアス・公表バイアス)

出版バイアス(publication bias)とは、否定的な結果が出た研究は、肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいというバイアス(偏り)である。公表バイアスとも言う。単純には、否定的な結果に関する情報が公にならない

根拠に基づいた医療(EBM)における科学的根拠が強い根拠とは、個々のランダム化比較試験のデータを結合してメタアナリシスすること、つまりバイアスのないデータのバイアスのない分析結果である。出版バイアスにより、分析結果が異なってくることが問題である。

治療法の有効性と安全性の誤認は、誤った医療の教育と実践につながり、多くの人々の健康に影響を及ぼす可能性がある。 2004年の抗うつ薬パキシルに関するデータの隠ぺいの裁判は、20058月世界保健機関による国際的な臨床試験の登録制度であるICTRPの設立などにつながった。2009年のインフルエンザの流行の警告の陰で、ロシュ社は未公表の試験に基づいて、タミフルが入院リスクを61%、合併症リスクを67%低下させると主張し、アメリカ政府は15億ドル、欧州の政府は10億ユーロを投じて備蓄した。BMJは、完全な臨床試験のデータの公開を促し、2014年にはそれに基づいた分析が、入院や合併症を減少させるという十分な証拠はないことを報告した。(Wikipedia抜粋)

 

(2) 「薬害オンブズパースン会議」2010-11-24

http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=310