「パレイドリア」または「パレイドリア効果」…
簡単に言うと「錯覚」のことです。
「雲の形」、「木目」、「ガラスの汚れ」や「壁のシミ」などの不定形の対象物が人や動物、昆虫に見えたりする現象です。
Wikipediaには…
対象物が雲やしみであることは理解しており、顔や動物ではないという批判力も保っているが、一度そう感じるとなかなかその知覚から逃れられない。熱性疾患の時にも現れやすい。と書いています。
子どものころ、熱を出して学校を休み寝ていて、天井の「木目」を眺めていたら、
一部分が「人の顔」に見えてきて、ずっと見ていたのを思い出しました…
このような「錯覚」は人間の脳に刻み込まれた「防衛本能」により起きるとされています。
人間の「先祖」である「霊長類」が、まだ森の木の上で暮らしていた時、昼夜を問わず「肉食獣」や「猛禽類」に狙われていました。
森や茂みに潜む「敵」を、1秒でも早く察知することは「生死に係わる能力」でした。
「不安」とは、「危険を察知する能力」といえるのかもしれません。
つまり「パレイドリア」を見てしまうことが多い「個体」の方が、生き延びる確率が高かったのでしょう。
そして「種」全体としても、不安で「パレイドリア」を多く見る種が子孫を残すことが出来たのです。
「不安性」「心配性」…
「鍵をかけたかな??」「ガスコンロの火を消したかな??」
心配になって、家に戻ったこともあります…
「不安性」「心配性」は、人間の「本能」として脳に刻まれていたのですね。
「不安」はDSM-5やICD10(2)で精神障害に分類されています。
しかし「不安・心配」が「本能」だと分かれば、後は どう「不安・心配」とつきあうかだと思います。
決して「クスリ」を飲んで治すというような「心の病」ではないことは確かです。
nico
(1)錯覚 (パレイドリア効果)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%AF%E8%A6%9A
(2)ICD10のF41に記載
F41.1 全般性不安障害 F41.9 不安障害,詳細不明