薬物療法のリスク > 薬物療法のベネフィット その2  | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

「日本うつ病学会」「日本児童青年精神医学会」連名の「見解書」を見つけた…

「大うつ病性障害の小児に対する新規抗うつ薬の投与にかかる添付文書改訂に対する見解(1)

という小児に対する新規抗うつ薬の添付文書改訂に関する「分けの解らない」見解書です。

 

重要な個所を抜粋すると…

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海外で実施された617歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において、611歳の患者で有効性を確認できなかったとの報告がある。

 

海外で実施された617歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性を確認できなかった

 

類薬において、海外で実施された6~17歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性を確認できなかったとの報告。

 

617歳を対象にしたプラセボ対照無作為化試験において、ベースラインから最終評価時までの評価尺度CDRS-R得点の変化量、ならびに、CDRS-Rを用いて調べた反応率について、実薬群とプラセボ群の間で統計学的有意差が認められなかった。

 

小児期ないしは若年成人において自殺関連事象が多く認められる、言い換えれば賦活化症候群が生じやすいことと関連して検討されてきました。

 

認知行動療法や対人関係療法など心理的介入の有効性も示されており、薬物療法が小児の大うつ病性障害に対する唯一の治療法ではありません

 

三環系抗うつ薬の有効性が確認できないことが一貫して報告。

 

フルオキセチンを除くすべての新規抗うつ薬ではベネフィットがリスクを上回らない(フルボキサミンではデータがなくリスク・ベネフィットのバランスが判断できない)と報告しています。

 

日本においては小児における有効性と安全性を示す試験がまだ行われていない

 

プラセボ効果が実薬との差が出ないほど高いことを小児の大うつ病性障害の特徴として理解…

 

いずれかの薬剤を積極的に選択するだけの合理的な根拠はありません

 

しかし、小児の大うつ病性障害には、さまざまな重症度のものが含まれており、なかには心理的介入のみでは不十分なケースもあり、現に薬物療法の有効なケースも認められます。そのような場合には、薬物療法あるいは薬物療法と心理療法の併用を考慮すべきです。

 

すべての薬剤についてリスクとベネフィットのバランスを常に考慮することが求められます。エスシタロプラムについては、611ではその有効性が確認されていないものの、12歳~17では有効性を示すデータが報告されており、米国では1217の大うつ病性障害の治療薬として承認されており

 

このたびの添付文書改訂によって、薬物療法の可能性が否定されるものではないと考えております。とりわけ、現に抗うつ薬投与を受けて有効性のある小児においては、薬剤を中止することは症状悪化のリスクがあります。また、無効例や忍容性に問題のある例においても急速な中断によって退薬症状を出現する可能性があるために緩徐な減量が求められます

 

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薬剤を積極的に選択するだけの合理的な根拠はありません

と言っておきながら

必要に応じて薬物療法を検討するという基本的な治療姿勢

という結論

全く理解できない!!

 

しかし、懲りない連中だな…

 

この見解書、何回読んでも

「薬物療法を検討する」という結論になる分けはない!!!

 

環境調整や心理的支持を行いながらの注意深い観察や、より積極的な心理的介入の可能性について考慮する。

被虐待やいじめの被害などの心理社会的問題の関与…

心理社会的状況や併存障害を含めたリスク評価、症状経過の丁寧な評価、双極性障害の可能性の検討などの上で診断し、環境調整や心理的支持、綿密な観察の上で薬物療法の要否を見極めることが必要です。投薬後の経過観察、診断や薬物療法のリスク・ベネフィットを確認する…

 

綿密な観察の上… 症状経過の丁寧な評価…

 

   5分診療じゃ無理無理~ 

 

環境調整、積極的な心理的介入、心理社会的問題、心理社会的状況…

 

   これも無理!! これらは「社会心理学(2)」や「環境心理学(3)」の領域でしょ…

   あなた達は「門外漢」です

 

断言します。

 

子どもに対しては「 薬物療法のリスク > 薬物療法のベネフィット 」なのです。

 

つまり、リスクがベネフィットを上回ります!!

 

 Nico

 

 

(1)大うつ病性障害の小児に対する新規抗うつ薬の投与にかかる添付文書改訂に対する見解

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/gakkaitou_gakkai_201303_1.pdf

 

(2)社会心理学

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6

 

(3)環境心理学

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6