どちて ボクは病気なんですか?? | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

一休さんの「どちて坊や」のお話です・・・



虫を咥えたツバメが飛んでいるカットで「皆さんは虫の知らせという言葉をご存じですか?」というナレーションから始まります。「どうも今日は変なことが起こりそうだなあ」と独り言をつぶやいていると後ろから新右衛門さんに肩を叩かれよろめく一休さん。



一休さんと和尚さんが坊やを預かることになったことについて簡単にお話している横ではヒナにエサを与える親ツバメをながめる坊やの姿。

親ツバメが巣から離れると,坊やは親ツバメの行く先を目で追います。

一休さんと和尚さんが坊やを預かることになったことについて簡単にお話している横ではヒナにエサを与える親ツバメをながめる坊やの姿。親ツバメが巣から離れると,坊やは親ツバメの行く先を目で追います。



唐突に坊やが一休さんに「どちて毛がないんでちゅか?」と尋ねます。

「仏様にお仕えするためにとってしまった」と答えるも坊やが幼いので伝わらないだろうと考え,指を頭につけてくるくるします。



以下会話の内容



一休:(得意げな顔で)「ぶつかって転んでも安心でしょ?その心はケガなくて良かったね」



坊や:(素朴な表情で)『どちてくるくるするんでちゅか?』



一休:「こうするといい知恵が出るんだよ」



坊や:『どちて出るんです?』



一休:(少し困って)「どうしてかな?おまじないみたいなもんだよ」



坊や:『どちておまじないでちゅか?』



一休:(少しイライラしつつ)「自分でそう思ってるからだよ」(語気を強める)



坊や:(くるくるを真似て)『わたちには何もでまちぇん。どちてでちゅか?』



一休:「坊やはまだ小さいからさ」



坊や:『小さいとどうちてダメでちゅか』



一休:「ちょっと坊や…やたら『どちて』を連発するんだなあ。よし。坊やの名前は『どちて』にするか。『どちて坊や』だ。」



坊や:『「どちて坊や」・・・どちてでちゅか?』



一休:「はあ~参ったなこりゃ」



どちて坊やにうんざりな一休さん。どちて坊やから逃げ出します。一休さんまさかの完全敗北。



逃げて木陰に隠れてるところに今度は蜘蛛が襲いかかる!

さよちゃんは無反応なのに一休さんのこのびびりよう。

坊やは和尚さんや他の坊主たちにも「どちて」を連発します。

みんなうんざりして和尚さんは仮病を使ってまで坊やから離れようとする始末。



とりあえず一休さんは坊やを疲れさせて眠らせる作戦に出ます。そしていきなりどちて坊やと一緒にジョギングを始めますが一休さんの方が先に疲れてしまいます。なんというヘタレ小坊主。それに続いて,本を読んで昼寝をさせようと試みますが・・・



一休:「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました」



坊や:『どちてお父さんとお母さんはいないんでちゅ?』



一休:「いいから黙って聞くの!」(ムッとした表情)



などというやりとりをしているうちに一休さんの方がお昼寝してしまいます。

つまらなそうにしているどちて坊やと寝ている一休を見るてるてる坊主(一休母上の代わり)の表情。



これはさっきまでの「どちて?」とは違って,迷子の坊やがお父さんとお母さんを気にしつつ口にした疑問だったにも関わらず,一休さんはそのことに頭が回っていない様子。

頭が回ってないだけでなく坊やをほったらかして寝てしまうなんて!・・・と言いつつも最初見たときには私もそんなことには気づかず「さすがに一休さんも疲れたか」などと思っていました。

後で「どちて」が口癖になった理由がわかったとき一休さんは自分を恥じます。

雨が降り出す中,どちて坊やは裸足でどこかへ出かけてしまいます。

雨の中を一人で歩くどちて坊やと巣でヒナを守るツバメ。



一休さんが昼寝から覚めるとどちて坊やがいなくなったことに気付きます。

すぐにお寺のみんなで雨の中どちて坊やを捜索開始。川は増水しています。

やがて「こどもが川に落ちたぞー!」という声を聞いてかけつけるとそこにはどちて坊やが・・・

一休さんは川に飛び込んでどうにか坊やを助けます。



寺に戻ってから,さよちゃんと坊やが会話しています。



坊や:『どちて雨は降るんでちゅか?』



さよ:「それは,雨の神様が風呂に入ったお水をまくからよ」



坊や:『どちてお水をまくんでちゅ?』



さよ:「だって雨が降らなかったら草も人もタマも喉がかわいて死んでしまうもの」



坊や:『どちて喉がかわくと死ぬんでちゅか?』



さよ:「さあどうしてかな?きっと心の中に咲いているお花が枯れてしまうからよ」



坊や:『ふーん。そうでちゅか』



さよちゃん勝利!!!!根気勝ちですな。そして雨がやんでから。



坊や:『どちて雨がやむんでちゅか』



さよ:「えーと,うーん。それはね。てるてる坊主が雨の神様に頼んでくれたから。」



坊やにてるてる坊主を見せて,それが一休の母の代わりであることをさよちゃんが教えると,自分もてるてる坊主を作ると言う坊や。どうしてかと聞くと自分には母親がいないからだと答え,そして父親もいなくなったことを告げます。

「どちていなくなったのかな?」ここで明らかになりますが,どちて坊やの「どちて」は両親がいなくなったことを周りの人たちに聞きまくっているうちに口癖になってしまったものなのでした。

どちて坊やは単に一休さんとトンチ対決をさせるためだけに「そういう設定」で登場させられた安易なキャラではないのですね。更に,ここでさよちゃんも両親を戦で失っていることが判明します。



それで坊やと一休さんとさよちゃんは一緒にてるてる坊主を作ることに。



虹がかかる中でてるてる坊主を作る3人。



  真ん丸おめ目で何見てござる ゆらゆらゆらり何見て揺れる



  母上様お元気ですか あの川越えりゃ 里越えりゃ 里越えりゃ



「母上様お元気ですか」という歌詞と坊やの「お父さんとお母さんに会わせて下さい。お願いします。」という台詞が重なる。



そして願いを聞くてるてる坊主たち。



てるてる坊主たちに願いが伝わったためか,3人で遊んでいるとおじいちゃんとおばあちゃんが見つかり坊やを迎えに来ます。

ハッピーエンドかと思いきや,坊やの両親は戦に巻きこまれて行方不明とのこと。

戦や争いをなくす良い知恵がないものかと,てるてる坊主の前でいつまでも考えを巡らせる一休さん。



答えの出ないまま,ここで今回の物語は終わります。

単純に痛快なトンチで楽しんで終わりというだけでなく,こんな風に時代背景に沿ったシリアスな感じで終わるおはなしもたまにあります。



引用・転載

一休さん 127話 「どちて坊やとてるてる坊主」

http://d.hatena.ne.jp/ahiru345/20100202





子どもの頃は、何でも訊けた・・・

しかし、大人になるとそうはいかなくなってくる。



無意識の中で『常識』という言葉に縛られ、『好奇心』は消し去られる・・・



医者の処方する薬が「身体に悪い」分けなどない、そんなの常識・・・



誰かさんに都合のいい「常識」は、誰かさんには「危険な罠」かもしれない。



「聞くは一瞬の恥。聞かぬは一生の恥。」

そして、『ニコ呟』では何度も「無知は危険を伴う・・・」とも書きました。



『聞き上手』これからの時代、必要な能力なのかもしれない。



今日の『ニコラスの呟き・・・』です。



精神科では「どちて坊や」になりましょう・・・



『どちて クスリ飲むんですか?』



『どちて このクスリは効くんですか?』



『どちて ボクは病気なんですか??』



『どちて ・・・???』



Nico





引用・転載

一休さん 127話 「どちて坊やとてるてる坊主」

http://d.hatena.ne.jp/ahiru345/20100202