先週末、小用で山中湖に行ってきた。
富士山がユネスコ世界文化遺産に登録(1)された朝、私は湖畔に立ち「富士山」を眺めていた・・・
早朝、ゆっくり時間をかけ「富士山」を眺めるなんて生まれて初めてのことである。
登録の際の評価が「信仰の対象と芸術の源泉」とあるように、日本人にとって富士山は、単に一つの「山」ではないと思う。
「フジヤマ ゲイシャ」と評されるように海外から日本を見る時のビジュアル・シンボルの一つでもある・・・
信仰の対象(2)か・・・ 湖畔を散歩して 少しだけその意味が分かったような気分になった。
山頂からオーラのようなものが降り注いでいるような感覚がした・・・
死に場所を求め、富士の樹海に全国から人が毎年何人も訪れるという話を思い出していた・・・
日本人の「宗教観」は本来「自然信仰」であったという・・・
大自然の中に一人たたずむ時、日本人は各々がそれぞれの神々と触れ合っていたのだろう
明確な「信仰の対象」を持たない私にとって、いろいろ考えさせられた朝だった・・・
Nico
(1) 富士山がユネスコ世界文化遺産に登録
カンボジアの首都プノンペンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は22日、日本政府が推薦している「富士山」(静岡、山梨両県)の審査を行い、「信仰の対象と芸術の源泉」と評価して世界文化遺産に登録することを決めた。
構成資産からの除外を勧告されていた三保松原(みほのまつばら)(静岡市清水区)も含めて登録されることになった。文化庁によると、国内17件目の世界遺産。文化遺産としては13件目。自然遺産は4件が登録されている。
登録決定を受け、近藤誠一文化庁長官は「喜びや悲しみを分かち合ってきた日本人の美しい心のシンボルが富士山。文化遺産として認められたのは、日本の歴史に残る出来事」と語った。静岡県の川勝平太知事は「三保松原が一体として認められたのは奇跡だ」と話した。
登録は富士五湖や白糸ノ滝などを含む約7万ヘクタールが対象。古くから信仰の山とされ、荘厳な姿が江戸時代に盛んに浮世絵に描かれるなど、日本独特の芸術文化を育んだ。
昨夏に現地調査したユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は四月、富士山を「日本の象徴で、その影響は日本をはるかに超えている」と評価して登録を勧告した。一方、三保松原は富士山から45キロ離れている点や、消波ブロックなどで景観が損なわれている点を問題視。除外を登録の条件とするよう勧告していたが、各委員国から「三保松原も含めるべきだ」との意見が相次ぎ、勧告を覆しての登録が決まった。
富士山は当初、自然遺産での登録を目指した。1994年に環境団体などが200万人を超える署名を集めたが、ごみやし尿の問題が解決できず、国内の候補地に選ばれなかった。2003年には政府の検討会で「火山の地形として世界的に珍しくはない」との理由で候補地から落選。これを機に文化遺産を目指す方向に変わった。
(2)富士信仰
富士信仰は、富士山の神に対する神祇信仰。山岳信仰の1つ。
富士信仰は、富士山を神と見立て信仰・崇拝の対象とすることであり、代表的ものとして、浅間信仰(富士浅間信仰)がある。富士山を何らかの形で信仰・崇拝の対象としており、著明なものに村山修験や富士講などがある。富士山が民衆の信仰を集めるに至るには、登山の大衆化が大きな要素としてある。富士山の登山として記録として古いものでは、役行者の登山がある。