精神医療の歴史は「現代の常識」では信じられない、とんでもない薬物が精神疾患の治療に効果があると処方された。
そしてその薬剤の中毒性が問題になると、次の「薬剤」を探し当て、効果があるとプロパガンダを繰り返した・・・
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1860年代から1960年代まで、医師は精神的苦痛を治療するためアルコールとアヘンを処方し、後にはモルヒネやヘロイン、コカインを使うようになった。
それに続いてクロラールや臭素化合物(ブロバリンなど)、バルビタールなど多くの類似薬物が使われた。
アルコールを除くこれらの薬物は、どれも薬物中毒にも使われるようになったが、後にはそれ自体も中毒を引き起こすことが知られるようになった。
引用 : 暴走するクスリ? 第2章 鎮静剤地獄 34P
当然、アルコールが止められなくなり、正常な生活を送れなくなる者が続出したが、処方した医師は、これは患者自身が招いた問題だとみなした。
その理由の一つは、医師はアルコール問題を急性中毒の問題としてしか意識せず、アルコールが止められなくなることは、患者自身の育ちが悪いか意志が弱いため、あるいはそれ以外人格的欠陥のためだと考えた。
医師には、患者の語る問題を引き起こしたのは自分達であると認める事が難しかったのである。
そのため、医師は患者を責める傾向があり、医師に非難の矛先を向けるような患者に対しては特にそうした対応をすることが多かった。
引用 : 第2章 鎮静剤地獄 35P
150年後の日本
全く同じ光景を、精神科の診察室で見ることができる・・・
間違いなく、数十年後にはパキシルなどの『向精神薬』が、精神科治療薬として処方されていたと、まるで『笑い話』のように語られるのだろう。
だが、向精神薬を服用した子ども達が数十年後にどうなってしまうのか・・・?
これは、笑い話では済まされない。
Nico