2013年 最初の記事を何にするか少々迷った・・・
手元にある「心の病の流行と精神科治療薬真実」は附箋とドッグイヤーで少々分厚くなってきている。
それほど「皆さんに伝えなければ」という内容が書き綴られているのだ・・・
附箋を付けた箇所、ドッグイヤーで折られたページはどれをとっても「普通の人」は簡単にはたどり着けない情報である。
どの「情報」も、作者のウィタカー氏が「ハーバード大学医学部の図書館の地下室」で1800年代からの医学雑誌や医学論文に囲まれ、とてつもない時間と労力を費やし、選別していただいたものであるから・・・
全ての薬にリスクと効用があるが、医学界の一般的な考え方として、薬はリスクを上回る効用を提供するべきとされる。
患者の間からしばしば、薬のせいで感情のない「ゾンビ」になってしまうとの不満が聞かれた。
1950年代初期に薬の使用を推進していたフランスの精神科医ピエール・デニカーも「抗精神病薬は中止すべきではないか?」と問いかけた。
1977年 ジョナサン・コールは複数の研究結果に基づき「抗精神病薬の服用を続けている全ての統合失調症外来患者は、薬を使わない適切な臨床治験による効用を手にすべきだ」と「病気より問題のある治療法?」という論文のなかで主張した。
第6章 露呈した矛盾 「病気より問題のある治療法?」より抜粋
もう何年も前から「薬を使わない適切な臨床治験」が模索され、「抗精神病薬は中止すべき」という複数の医師・科学者がいたにもかかわらず、2013年の今も「精神科治療薬の処方」が治療の第一選択となったままである。
薬のせいで感情のない「ゾンビ」にさせられた私にとっては、「素朴に」「単純に」何故なんだ??? という疑問が常に付きまとう・・・
しかしそれらの疑問の答えは、この「心の病の流行と・・・」という本のどこかに見つけることが出来る。
英文の原書論文を読むことのできない私たちにとっては「一つの疑問」から解放されるためには知識や経験が少なすぎる。
そして身近に「ハーバード大学医学部のカウントウェイ図書館」のようなお気に入りの場所(作者の表現)がない精神科治療薬の薬害被害者にとっては、この一冊の本を「お気に入りの本」にするだけで様々な疑問から解き放ってくれる。
例えばなぜ反精神医療運動が「世論を動かす」ような「一つの力」にならないのかという素朴な疑問の答えを、この本の一節から知ることができた・・・
今後も、この「心の病の流行と精神科治療薬真実」をまだ読まれていない方の為に、被害者の視点で記事を書き続けたいと思う・・・
Nico