一つの偉大な発見が多くの疾病の原因究明や新たな治療法の開発につながることはよくあることである。
しかし、その前提となっている知見が明確に確認されていない「仮説」であったとすれば、そこから派生する理論の確かさには限界があることになる。
もし、その「仮説」に基づく疾病理解や治療法が広く普及し、もはや衆人の「常識」になってしまっていたとしたら、天動説を覆したガリレオの苦難を引用するまでもなく、その「常識」を覆すことは容易なことではない。
これは『心の病の「流行」と精神科治療薬の真実』の監修者前書きの一節である。
わたしが「この本」に共感を覚えたのは著者である「ロバート・ウィタカー」の知的探求とわたしの「それ」とが全く同じものだったからである・・・
― 画期的な精神科治療薬が普及したのに、精神疾患の転帰は薬物療法が導入される以前よりも決して良くなっていないどころか、むしろ悪化しているようにさえ思われるのは何故なのだろうか。薬物療法が有効であるとすれば、その疾病の転帰は良くならなければならないのは当然である。疾病の症状は軽減し、病期は短くならなければならないはずである。しかし、精神科医療の現場は、より長期的に薬物療法を必要とする人たちが増え、そもそも精神疾患を有する人々が急増し、まさに現代の「流行病」になっているのが現実である。― (4P)
わたしの場合も「良くなっていないどころか、むしろ悪化しているようにさえ思えた・・・」
「疾病の症状は軽減し、病期は短くならなければならない」と思った。
これが わたしの「真実を求めて」の旅の始まりだった・・・
メディカル・リテラシーに関しても
― 広く社会全般の人々が、精神疾患とその治療をより良く理解するために必要な正しい情報の受け取り方、すなわちメディアリテラシーに資するものと言えよう。
精神科医療だけに限らず、患者と家族に最終的な治療の選択が委ねられることが一般的になっている今日の医療においては、医学情報を受け取るスキルはますます重要になるだろう。― (4P)
全く同感である。これが過去数回にわたしがリテラシーのテーマで伝えたかったことである。
洗脳された健常者の方たちに「真実」を伝えたくて孤軍奮闘しているのだが、結局のところ「ガリレオの苦難」を日々感じざるを得ない状況が待ち受けている・・・
いかにメディカル・マフィアの洗脳が「強固」であるか、何度も辛酸を舐めさされている・・・
SNSの世界で反精神医療ブロガーの記事を読み漁るより、この本を熟読するほうが「断薬」への近道である。
向精神薬が何故「発明」され、それによって誰が不当な「利益」を得て、こども達が如何に不条理な「医療行為」を受けているかという「真実」を知れば、あなたの道は「一つしかない」からである。
今後数回に渡りこの本に関して感じたことを呟いてみたいと思う。
『心の病の「流行」と精神科治療薬の真実』を読み終えて・・・ Nico