Benzodiazepin (3) | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

メカニズムと病態

ベンゾジアゼピンはGABA阻害を増強する。もし長期投与などによりこの阻害が継続すると、神経適応はこの中枢神経の抑制強化に対して、GABA阻害の減少とグルタミン酸興奮性の増強によってバランスをとる。ベンゾジアゼピンを中断すると神経適応はunmaskedされ、神経系の興奮と離脱症状の出現がおこる。

離脱時にグルタミン酸興奮活動が増加することが、キンドリング現象を起こすと信じられている。ベンゾジアゼピン離脱の既往歴を持っている人は再度の離脱には成功する確率が低いことが知られている。アルコール離脱と同様、ベンゾゼジアピン離脱を繰り返すと中枢神経のsensitizationやキンドリングを導き、認知能力の悪化、症状と離脱期間の悪化を導く。

管理

漸減による成功率はおおよそ65%である。しかし別の研究では88-100%の高い成功率であった。研究では、精神科の患者が2年間の断薬スケジュールにより断薬成功したと示している。

ベンゾジアゼピン断薬は、代替として抗うつ薬を増薬することを意味しない。

少しずつの減薬が離脱症候を減少させ、重篤な長期ベンゾジアゼピン離脱症候群を発症するリスクを減らすという強力なエビデンスがある。患者の身体反応を見ながら、低力価・長い半減期をもつジアゼパム,クロルジアゼポキシドを活用して用量の削減を行うことがベストである。 英国国民医薬品集(すべての英国医師に発行される医療指導本)では、早すぎる減薬よりも、徐々の減薬を推奨している。

医薬品との相互作用

フルオロキノロン系抗生物質は、しばしば慢性的にベンゾジアゼピンを服用したり離脱中の患者に重篤な合併症を引き起こすことが、Heather Ashton教授といくつかの研究で知られている。これはおそらくフルオロキノロン系のGABA拮抗効果の結果である。 研究では、フルオロキノロンの中枢神経毒性が深刻であることが確認され、特にベンゾジアゼピン依存者でより頻繁に発生しており、フルオロキノロン系抗生物質がベンゾジアゼピン依存または離脱中の患者には禁忌でなければならないと結論づけた。

動物研究では、非ステロイド性抗炎症薬は軽度のGABAアンタゴニスト特性があり、その結合部位からベンゾジアゼピンを置き換えると考えられている。これはフルオロキノロンほど強いGABA機能拮抗作用は発生しない。しかしながら、フルオロキノロンと組み合わせて摂取されると非常に厳しいGABA拮抗作用をもたらし、GABA毒性、発作および他の重篤な副作用が高い。 (en:fluoroquinolone toxicityを参照)

ベンゾジアゼピン離脱症候群に関連する精神病症状は、一般的に抗精神病薬などに反応しない。抗精神病薬はベンゾジアゼピン離脱中は痙攣などの離脱症状を悪化させる傾向にあるため避けなければならない。いくつかの抗精神病薬、特にクロザピン・オランザピン・低価フェノチアジン系(クロルプロマジンなど)は他よりも離脱時のリスクが高い。それらは発作の閾が低く、離脱症状を悪化させる。もし使われていた場合は、細心の注意が必要となる。

抗うつ薬や禁煙補助として主に使用されるブプロピオンは、発作リスク増大のためベンゾジアゼピンまたは他の鎮静催眠薬(アルコールなど)の急激な断薬を経験した者には禁忌である。

抗うつ薬SSRIの追加は、ベンゾジアゼピン離脱症候群の治療には少ししか効果がないことが判明している。同様に、プロゲステロンの追加は離脱症候群の治療に効果がないことが判明している。

カフェインの減量もしくは禁止は、カフェインが離脱症状の悪化と刺激効果をもたらすというレポートのために推奨される。興味深いことに別の動物実験の結果では、カフェインが発作レベルを引き下げるなどの変化を与えることを示している。

一度ベンゾジアゼピン依存となったり依存から抜け出す事に成功した人は、たまにベンゾジアゼピンを摂取したりすることや、アルコール・バルビツール・Z系ドラッグといった関連耐性をもつ薬物の摂取を避けるべきである。これらはすべて、個人の生化学によるが、少なくとも4か月間から2年間ぐらいの間、同様の作用メカニズムを持っている。これはベンゾジアゼピンに対する耐性が4か月から2年間ほどベンゾジアゼピンを断薬している患者に存在するエビデンスがあるためである。これらの患者は、たとえ低用量の断薬であっても、ベンゾジアゼピンの再服用によって多くは耐性とベンゾジアゼピン離脱症候群の再活性化をもたらした。アルコールはたとえ適度の飲酒であっても、ベンゾジアゼピンとのクロス耐性のためか、離脱失敗の有力な予測因子であることが発見されている。

断薬プロセス

依存者の解毒は、患者ごとにジアゼパムまたはクロルジアゼポキシドに等価置換して行う。依存患者の削減に対しての反応の重さを伺いながら、2-4週間あたり10%の段階づつ減らしていく。減薬が十分に低速にジアゼパムまたはクロルジアゼポキシド置換で行われた場合、多くのベンゾジアゼピン依存患者は、最後のジアゼパム0.5mgまたはクロルジアゼポキシド5mgを断薬したとき、少ししか、時には全く離脱症状を経験しないことが多い。

十分に低速な減薬を経験した人は、通常離脱症状はたいてい数か月後には消えていることが分かる。ジアゼパム・クロルジアゼポキシド・その他長半減期ベンゾジアゼピンについて高齢者の場合、半減期が若年者に比べ倍であることに注意が必要である。多くの医師は高齢患者の年齢に応じてベンゾジアゼピン投与量を調整していない。

ベンゾジアゼピン離脱に使用する薬剤はジアゼパムまたはクロルジアゼポキシドであることを強く推薦する。それらはロラゼパムなど、他のベンゾジアゼピンよりも長い半減期であり低力価であるため、スムーズな撤退を導く。

もし依存がテマゼパム・ロラゼパム・アルプラゾラムのような半減期が短いものであった場合、その高い離脱症候群のため衰弱が多く、離脱を成功させることは非常に困難であるだろう。

治療や離脱の管理にベンゾジアゼピンを切り替えた際に等価のベンゾジアゼピンを使ってない場合、重篤な離脱反応を生成することがある。ある男性患者はロラゼパムおよびアルプラゾラムから、たった一日あたり7mgずつジアゼパムに切り替えた。36時間以内に患者は身体症状が発生し、自分自身の腹部を指して衝動的に自殺を試み、大怪我を負い緊急手術を必要とした。彼の症状や自殺未遂は、彼のベンゾジアゼピン離脱によるものと精神科医に診断された。患者は再びベンゾジアゼピンから離脱しようとしたが、急速な減量であったため、再び精神科病棟に入院し、首や胸に深刻な刺し傷を負い自殺を試みた。著者はベンゾジアゼピン離脱によって自傷行為を引き起こす可能性があると警告している。

議論

いくつかの例では、「解毒」や入院施設が"cold turkey"方法、1-2週の短期間で断薬し発作を防ぐためフェノバルビタール(バルビツール)に置き換える方法を提供している。 ほとんどの医師や医療機関は、通常の場合、ゆっくりとした断薬のほうがcold turkey(いきなりの断薬)や急速な断薬よりも好ましいという見解で一致している。 少数の過激な処方とはフェノバルビタールに置換し、フェノバルビタールをゆっくりと減薬する方法である。比較研究ではベンゾジアゼピンを用いた急速な解毒のほうが、フェノバルビタールを用いた急速な解毒よりも優れていることが分かった。

ベンゾジアゼピン解毒法は極端に長期間な重度の離脱症状を引き起こすことがある。これは、結婚・仕事上の失敗・破産・入院を導き、最も深刻な悪影響は自殺である。急激な減薬による成功率はとても低くドロップアウト数が高い。ゆっくりとした段階的な減薬による成功率は80-100%である。

急激な減薬・説明不足・離脱によって経験している症状の安心付けの不足は、狂ってしまうのではないかというパニックと恐れを増加させ、その結果として心的外傷後ストレス障害に似た状況に陥らせやすい。励ましながらのゆっくりとした減薬は、離脱の成功を高めると思われる。

最近の研究ではベンゾジアゼピン解毒にフルマゼニルを使用することを提示している。フルマゼニルは耐性の解消と受容体機能の正常化を促すことが分かっている。しかしながら離脱治療においての有効性について、無作為化試験を実施することを求められている。 フルマゼニルは GABAA 受容体のベンゾジアゼピン受容体についてアップレギュレーションを刺激し、逆共役させる。これにより耐性を反転させ離脱症状や再発率の低減を図る。これは研究レベルに限定されておりリスクを抱えるため、フルマゼニルによる解毒法は議論の余地があり、医療管理下の元で入院してのみ行うことができる。

その他の薬品ではimidazenilがいくつかの研究であげられている。しかし現在は離脱治療には使われていない。

抗痙攣薬カルバマゼピンは、既存の疾患に対して抗てんかん剤としてクロナゼパムを服用していた二人の患者についてクロナゼパム離脱を行う際、てんかん重積状態の治療について効果がないことが分かっている。

予後

ベンゾゼジアピン依存は臨床的に潜在的に深刻な状況であり、その離脱症状はしばしば時間が長引く複雑な経過となる。患者はしばしば6か月以上から1年、それ以上の離脱症状が続いた。症状は不安・イライラ・不眠・光と音に対する過敏などが含まれる。いくつかの人は深刻な感覚異常・精神病などの長期離脱症候群に見舞われる。これらの症状は過去にこれらの症状が無かった人にも現れる。

長引く離脱に伴い、投与前の症状の再発と純粋な離脱症状を区別することが重要である。他の症状は典型的に改善されないながらも、時間をかけて長引く離脱の症状は徐々に改善する。長期の離脱症候には、統合失調症・興奮うつ病・全般性不安障害・パニック障害・複雑部分発作などの疾患の範囲に似ている。長期の離脱症状は、良い日も悪い日の期間で中断することがある。生理的変化のため、瞳孔散大などが血圧と心拍数の増加に伴って起こることもある。症状の変化は、耐性逆転の過程でGABA受容体の感度変化に起因するとの論がある。

長期離脱症状とは数年以上の長期に続く症状を指す。長期離脱症状を経験する患者は、一般的に速いペースでの断薬を行っており、数か月・数年間後に症状が減少し通常の状態に戻るというエビデンスが示されているため安心してよい。10-15%の断薬患者は、長期離脱症状を経験する可能性がある。エビデンスは、少しずつの減薬によって大幅に禁断症状の長期化や深刻さを減らせることを示している。離脱後症状として、10-15%の患者は数か月、不幸な場合は数年間にわたり症状が長引く可能性がある。初期急性離脱症以降の患者についての調査は、断薬することで多くの患者は症状が改善し続けていることを示している。多くの場合、慢性的な服用により数年間活動不能となっていた患者も最終的に通常生活に戻れている。離脱症状が永続化する理由は、薬剤受容体の変化、精神的要素、特に多量投与された者については脳や神経構造への損傷、以上の複合要因と考えられている。

急性的・長く持続する感覚障害もベンゾジアゼピン離脱症候群の臨床的特徴の一つである。投与中止後に数か月または一年・数年以上も長引く耳鳴りは断薬の合併症であることが分かっている。耳鳴りの出現は、減薬・断薬の中で発生し、服用の再開によって軽減される。

臨床試験では、わずか8週間のアルプラゾラム服用した患者について中止後8週間の記憶障害が発生。

文献上のメタ調査では、ベンゾジアゼピン認知障害は、断薬後6ヵ月後に改善されるが、残りの認知障害は永続的か6か月以上必要な場合があると報告された。

神経心理学テストでは、永続的な禁断症状が続く患者グループの心理学的マーカーは、通常の不安マーカーと違うことが分かった。これにより長期離脱症状は、ベンゾジアゼピンの長期処方が原因の、正真正銘の医原性のものだと結論づけた。

最初の数薬を発明し、Librium (クロルジアゼポキシド)Valium (ジアゼパム)Rohypnol (フルニトラゼパム)Dormicum (ミダゾラム)Klonopin/Rivotril (クロナゼパム)なども発明したエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は、2007年に製品情報誌で、長期ベンゾジアゼピン離脱症候群の存在を認識し、同社の製品フルマゼニルを長期離脱症候群に使用しないことを勧めている。

長期の離脱症状には、認知障害・消化器不良・不眠・耳鳴り・paraesthesiae(うずき、しびれ)・痛み(通常は手足・四肢)・筋肉痛・脱力感・緊張・痛みを伴う微動・振るえ刺激・収縮・眼瞼痙攣などがある。

フルマゼニルの効用 [編集]永続的な禁断症状について、LaderMortonはベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニルの影響に関して調査を行った。調査はベンゾジアゼピンなしで1か月から5年間行われたが、すべての報告について程度は様々だが禁断症状は続いていると報告された。

永続的な症状には、思考の曇り・疲れ・首の筋肉などの緊張・痙攣と揺れ、ピン&針刺激・皮膚が燃える・痛み・主観的な体の歪みなど、離脱に特徴的な症状がある。プラセボ比較調査では、0.2mgのフルマゼニル投与にて症状を軽減させると分かった。

ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬は中立であり、臨床的な作用は無いとの興味深い研究がある。この研究者は、最も近い説明は、これは過去のベンゾジアゼピン服用とその後の耐性によって、GABA-BZD受容体複合体の立体構造が逆アゴニストに固定されたことで生じたものであり、拮抗薬フルマゼニルによって元の感度に戻すことができるものであるという。

フルマゼニルによって長期ベンゾジアゼピン離脱症候群の治療が成功することがこの研究で分かったが、しかしそれには更なる研究が必要であると言及されている。スウェーデンのBorg教授は、長期離脱を持つ患者で同様の結果があったと報告した。

ベンゾジアゼピンの離脱症状抜粋

ベンゾジアゼピン・バルビツール酸・アルコールなどの鎮静催眠薬は、もっとも深刻な合併症を離脱期間中に起こす。臨床的にそれらはアヘンより危険な離脱症状を引き起こしている。しかし不適切にも長期間のベンゾジアゼピン使用が患者に行われているのが一般的である。身体的・精神的依存性があるためベンゾジアゼピンは一般的に短期間・数週間で投薬を打ち切ることが推奨されている。長期間のベンゾジアゼピン使用は、依存性を引き起こし、健康上の多くの副作用を引き起こす。患者はたいてい殆ど少ししか医師より助言・サポートを得ていない。長期的な治療であっても低用量のベンゾジアゼピンを使用し、認知障害などの副作用を考慮しながらベンゾジアゼピンを断薬することが推奨されている。

長期使用による副作用の懸念があるため、多くの患者がベンゾジアゼピンの断薬を求め、世界中の多くの人が断薬に成功している。その結果ベンゾジアゼピンの依存症と離脱は広く医学文献中で研究されている。

十分な動機付けと適切なアプローチがあれば、ほぼすべての患者が正常にベンゾジアゼピンを断薬することが可能である。しかしベンゾジアゼピン依存となった長期的服用者では、重度の生命を脅かす離脱症の危険性が高いため、急激に断薬すべきではない。殆どのケースでは、徐々の漸減と長期間を使った断薬によりこのリスクが軽減される。

症状

以下の症状が減薬時に現れることがあるが、減薬量を小さくすることによって小さく・または完全になくす事ができる。

・不安・興奮と不安・心気症・拡張型心筋症・集中力障害・悪夢・不眠・筋肉の痙攣、線維束・電気ショック感覚・目のかすみ・めまい・ドライマウス・痛み・刺すような・聴覚障害・味覚・嗅覚障害・胸の痛み・インフルエンザのような症状・記憶と思考の障害・触覚過敏・聴覚過敏・聞こえ方が大きくなる・頻尿増加・しびれやうずき・熱感覚・冷感覚のフラッシュ・頭痛・リバウンドレム睡眠・筋肉の緊張・疲労と脱力・嗅覚過敏・むずむず脚症候群・金属の味・羞明・パラノイア・幻覚・吐き気や嘔吐・血圧上昇・頻脈・高血圧・姿勢の低血圧・うつ (深刻なことがある)・振戦・汗・食欲不振、体重低下・不快・離人・強迫性障害・耳鳴り・知覚異常・視覚異常・優柔不断・消化器問題 (過敏性腸症候群)

ベンゾジアゼピンの急激な減薬・断薬は更に以下のような深刻で不愉快な離脱症状を引き起こすことがある

・痙攣死亡に至る場合もある・緊張病(en:Catatonia) 死亡に至る場合もある・昏睡 (まれに)・自殺・自殺未遂・自殺願望・自傷行為・熱中症・妄想・殺人願望・叫ぶ、投げる、壊す、他害する・暴力・PTSD・器質性脳症候群(en:Organic brain syndrome)・精神病・混乱・躁病・悪性症候群の似た症状・振動せん

離脱が進むにつれ、患者はしばしば気分・認知の向上など身体的・精神的な健康状態を感じる。