ベンゾジアゼピン薬物乱用(benzodiazepine drug abuse)とは、ベンゾジアゼピンを高揚感を得るなどのためにレクレーション目的で使用したり、医療の助言無しに長期間摂取し続けること。
ベンゾジアゼピン乱用のレベルは他の薬物に比べてとても高い。たいてい経口投与されるが、鼻腔内や静脈注射もある。
レクレーション用途の使用はアルコール中毒に似ており、霊長類での試験ではバルビツレートと似た効果がある。
トリアゾラム・テマゼパム・アルプラゾラム・クロナゼパム・ロラゼパムは、他のオキサゼパム・クロルジアゼポキシドと比較して身体依存する可能性が高い。
消失半減期・吸収率・薬物効果などが乱用ポテンシャル(精神依存)を決める。
乱用率
ベンゾジアゼピンは主な乱用薬物として注意が払われることは少ないが、しかしそれはその他の薬物(とりわけアルコール・覚醒剤・オピオイド)と共に乱用されている。
リスクファクター
対象者の薬物乱用歴はベンゾジアゼピン乱用のリスクを増加させる。アルコール乱用歴があったり兄弟がそうであった場合は、ベンゾジアゼピンに対して違った効果を示する。
すべてのベンゾジアゼピンは乱用リスクがあり、それぞれの特性が更に乱用リスクを高める。短い半減期を持ち即効性のある薬剤は、乱用リスクを増加させる。
依存性と離脱症状
薬物依存と有害性アルコール・ベンゾジアゼピン・バルビツールののような鎮静・睡眠薬は重篤な離脱症状といった深刻な身体依存を引き起こすことで悪名高い。
強い薬物耐性は、たいてい慢性的なベンゾジアゼピンの乱用で起こり、ベンゾジアゼピン依存につながる量を消費している。
慢性的高用量のベンゾジアゼピン乱用者に見られるベンゾジアゼピン離脱症候群は、治療のため低用量服用者に比べてより厳しい性質である。継続的に服用するためにより極端な反社会的行動を取って薬物を探す。
ベンゾジアゼピン離脱症候群の重大度は、テマゼパム中毒者が以下に語っている。
私はむしろ、ヘロインを任意の日に取らないことを選びます。私がベンゾジアゼピンから離脱しているときに、あなたがヘロイン20mgとジアゼパム20mgのどちらかを提供してくれるなら、
常にジアゼパムを選ぶでしょう。 私は人生の中で、(離脱症状のため)これ以上に脅えていた期間はありませんでした。
ベンゾジアゼピンを断続的に摂取していた人は、毎日摂取していた人に比べて依存形成や減薬・断薬時の離脱症状が少ない傾向にある。
ベンゾジアゼピン乱用は薬物乱用者の間で広がっているが、しかし彼らの多くは時たまの服用のため離脱管理を必要としない。
ベンゾジアゼピン依存が起こった場合には離脱治療を必要とする。ベンゾジアゼピンの長期療法について、ベネフィットがあるというエビデンスはほとんどない。
逆に、とりわけ多量投与場合、長期利用が有害であるというエビデンスが高まっている。従って徐々の減薬を行い、離脱症状を滴定することが勧められる。
離脱のために、ジアゼパムなどの長時間作用型で安定させることが推奨される。
クロルジアゼポキシド(librium)は長時間作用型ベンゾジアゼピンであり、乱用ポテンシャルを低めるためジアゼパムの代替として注目されている。
長期間使用していた依存者には6-12ヶ月の断薬体制が推奨され、それがより成功することが分かっている。1ヶ月のような急速な解毒は、より深刻な離脱症状をもたらすとして推奨されない。
耐性はGABAレセプターと機能の減少を促す。ベンゾジアゼピンを減薬・断薬したときには中枢神経の代償的変化のアンマスクを導き、不安・不眠・自律神経系の活動亢進・発作などの身体的・精神的離脱症状が出現する。
ベンゾジアゼピン投与を停止するときに発生する可能性があるいくつかの共通の禁断症状
うつ病 動揺 非現実感 食欲衰退 筋肉痙攣 記憶欠如 運動障害 吐き気 筋肉痛
めまい 嗅覚過敏 光敏感 独特の味覚 ピリピリする感覚 触れる感覚の過敏 目の痛み 幻覚 嗅覚過敏・・・
すべての鎮静催眠薬、たとえばアルコール・バルビツール酸・ベンゾジアゼピンおよび非ベンゾジアゼピン系・ Z系ドラッグは多様な作用メカニズムを持っており、GABAAレセプター複合体に作用する。
それらはクロス耐性を持つため、互いに乱用のポテンシャルがある。
たとえば非ベンゾジアゼピンであるZ系ドラッグなど処方睡眠薬の使用が、断薬を達成している人の4分の1で薬物乱用を再発させることがしばしばである。
規制と施行
ヨーロッパ
英国でのテマゼパムの乱用と発作は、Schedule III controlled drug指定によって厳格な処方規制と入手制限により下落している。
1996-1999年の間にオランダ当局が押収したテマゼパムの合計は275万カプセルであった。
北アイルランドでは、ベンゾジアゼピンは薬物中毒治療センターに通う人の統計で2番目に多かった(31%)大麻は35%とトップだった。
北アイルランドの統計では、依存治療はベンゾジアゼピンが最も問題のある薬物であり、前年から倍増していることを示した。
北アメリカ
北米でのベンゾジアゼピン乱用は深刻な問題である。
米国とカナダで最も乱用されるベンゾジアゼピンは、アルプラゾラム・クロナゼパム・ロラゼパム・ジアゼパムである。
各国の処方規制ガイドライン
イギリス 医薬品安全性委員会(en:Committee on Safety of Medicines)
ベンゾジアゼピンは短期的な救済(2-4週間のみ)に適用される。ベンゾジアゼピンはうつを引き起こしたり悪化させ、また自殺の危険性を高める。
国民保健サービス: 2-4週以上の処方について認可しない。
カナダ 保健省 薬物利用評価助言委員会(DUEAC)勧告
ベンゾジアゼピンの長期処方にはリスクが存在する。
不安・不眠について適切な利用及び薬物依存を避けるために、新規処方は注意深く観察すべきであり、処方期間は限られるべきである(不安には1-4週、不眠には14日まで)。
ニュージーランド 保健省
最近では依存性のリスクが知られており4週間を超えた使用は有害である。
デンマーク 国立衛生委員会
ベンゾジアゼピンの処方は、睡眠薬では最大2週間、抗不安薬では最大4週間に制限することを推奨する。
保健省の依存性薬物処方ガイドライン: 全般性不安障害・パニック障害・不安障害の第一選択肢は抗うつ薬である。
依存性があるため、ベンゾジアゼピンの処方は非薬物療法などそれ以外全てで治療できない場合のみに限定されなければならない。
処方期間は4週間を目処にしなければならない。長期間の治療は避けなければならない。
アイルランド ベンゾジアゼピン委員会の報告書
ベンゾジアゼピンの処方は通常1ヶ月を超えるべきではない。
ノルウェー 国立衛生委員会
ベンゾジアゼピンの日常投与は4週間を超えてはならない。
スウェーデン 医薬品エージェンシー
薬物依存を引きこすため、不安の薬物療法にベンゾジアゼピンは避けるべきである。
薬物中毒の可能性があるためベンゾジアゼピンは数週間以上の治療には推奨されない。
(全てWikipedia引用)……………………………………………………………………………………………….
Wikipediaでこれだけ情報入手できるのに
肩こりでデパスが簡単に処方される 何ケ月も 何年も・・・
アメリカと日本は
完全に精神医療の後進国となってしまった・・・
状況は日本の方が悪いのかもしれない・・・