「精神科医を精神分析する」 佐藤幹夫 著 (洋泉社)
初版 2002年7月22日
初版はもう10年も前に出版されていた
日本においての「精神科医批判本」としては先駆けの書と分類されるだろう
佐藤 幹夫(さとう みきお1953年生まれ )
秋田県出身の評論家、フリージャーナリスト。
國學院大學文学部卒業。養護学校の教員を20年以上勤める。その後フリージャーナリストとして活動。
批評誌『飢餓陣営』の主宰者として、思想・文学・心理学など幅広い分野で評論活動を行う。
まだ「5分診療大量投薬」「多剤大量投与」も社会的な問題としては意識されてはいなかった
62P
分裂症質人格障害やら強迫性障害というのはアメリカのDSM-Ⅳなる分類診断マニュアルによる分類名であり、○○氏はよほどこのマニュアルがお好きらしいのである。
「アメリカ精神医学会の診断基準DSM-Ⅳによれば」と権威付け「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい、昨日のこの事件はナントカ人格障害で」とばかりに「見込み診断」とラべリングが始まるのである。
いち早く「アメリカ精神医学会」と「DSM-Ⅳ」の矛盾を指摘されている
とても感銘した部分があったので引用させていただく
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17P
処方のとき患者に薬のことを話すのがよい医者だ、とはどの医療案内書にも書いてある。しかし、患者の知りたいのは化学構造式や教科書的な作用、副作用だろうか。
おそらくそうではあるまい。
医者が治療の戦術や戦略、あるいはそれをつつむ、ひろい意味で「治療の哲学」としか呼びようのないものを考える必要があるのは、なによりもまず、医者と患者の治療的合意が不可欠であるからである。
それをできるだけふつうのことばで語りうるならば、それ自体が治療行為であり、具体的に、薬の種類や量を減らす能力さえ持つものだと思う。
私は、実際、「医者」というものが同時に処方されれば、薬だけの場合に比べ薬用量はぐっと減るか、それと同じ値打ちの好ましい効果が現れるものだとさえ思う。
(中略)
患者が赤や黄やその他さまざまな色の、えたいの知れない化学物質をのみくだすとは、医者あるいは医師への、考えてみれば途方のない信頼である。
この信頼をわれわれは非常にありがたいものと感じないとすれば、それは医者の側の職業上の感覚麻痺だろうと思う。
この信頼が、実は大きな不安を克服してなされるものであることをわたしたちはわきまえておいたほうがよいだろう。
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これは第1章「わたしはなぜ怒っているのか」の文中の「精神科治療の覚書」中井久夫 著の引用であるが、これほど的確に精神疾患治療における「医者」と「患者」のあるべき関係を語った文章に初めて触れることができた、引用した佐藤幹夫氏の判断にも感謝したい。
中井久夫氏の言葉を反芻してみたい
私が太文字にした個所を抜粋してみる
患者が赤や黄やその他さまざまな色の、えたいの知れない化学物質をのみくだす
ひろい意味で「治療の哲学」としか呼びようのないもの
医者と患者の治療的合意が不可欠であるからである。
ふつうのことばで語りうるならば、それ自体が治療行為であり
医者あるいは医師への、考えてみれば途方のない信頼である。
ありがたいものと感じないとすれば、それは医者の側の職業上の感覚麻痺だろうと思う。
この信頼が、実は大きな不安を克服してなされるものであること
多剤大量投薬している精神科医と患者の間に到底「中井先生が指摘する」ような信頼関係がとうてい醸成されているとは私には思えないのである
私は幸いにも5人目で今の主治医と出会う事ができた
私は「主治医を信頼」している
時間をかけ「減薬」「断薬」まで導いてくれた
「希死念慮」の強かった時期、誓約書を目の前で書かせた彼の機転に感謝している
小生ブログ参照
http://ameblo.jp/nicolas2012/entry-11207320824.html
どの薬が「良い」「悪い」の議論は空しい
日本における「心の病」の治療の現場において
まずここからもう一度再出発しないと大変なことになると私は思うのだが・・・
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向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 1 向精神薬治療の真実(エピローグ)
http://www.youtube.com/watch?v=vOM_EiIo6GY
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 2 100%心の病に
http://www.youtube.com/watch?v=u6NNhx0I7lg&feature=related
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 5 処方者達に売込む
http://www.youtube.com/watch?v=OSdWe--uEtY
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 6 一般大衆へ売り込む
http://www.youtube.com/watch?v=jc6k1rK-lGE&feature=related
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 7 子供へ売り込む
http://www.youtube.com/watch?v=JOum1sr9Ij0&feature=related
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 8 副作用
http://www.youtube.com/watch?v=hIPbi3nrYXM&feature=related
向精神薬・抗うつ剤・製薬医療・医学の犯罪 9 パキシルの悲劇・インフォームドコンセント(事実を知ろう)
http://www.youtube.com/watch?v=j6W69ukSc-U&feature=related
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