電子ピアノの古典調律対応状況について、ざっと調べてみました。
各メーカの電子ピアノの取説の記載をベースにしており、取説に記載が無かったモデルは×にしていますが、ひょっとすると一部には「取説には記載が無いが実は使える」というモデルもあるかもしれません。そこまでは調べてないです。
ここではベンチマークとしてキルンベルガー第3を搭載しているかを調べました。
YAMAHA
Clavinova シリーズ ○
ARIUSシリーズ ×
Pシリーズ ×
YCシリーズ ×
CPシリーズ ×
KAWAI
NVシリーズ ○
CAシリーズ 最下位機種以外は搭載 CA99:○ ~ CA:59:○ CA49:×
CNシリーズ 最下位機種以外は搭載 CN39:○ CN29:×
ESシリーズ ○
MPシリーズ ○
ROLAND
GPシリーズ ○
LXシリーズ ○
Kiyora ×
HPシリーズ ○
DP603 ○
RP701,F701 ○
CASIO GPシリーズ ○
APシリーズ ○
PXシリーズ ○
CTシリーズ ○ CT-S1:○ CT-S400:○ CT-S200:×
LKシリーズ LK520:○ LK320:×
SAシリーズ ×
CTK-240 ×
CDP-S110WE ×
KORG
G1B ○
C1 ○
B2 ×
D1 ○
LPシリーズ LP-380U:○ LP-180:×
SP-280 ○
XE20 ○
SV-2 ×
tinyPIANO ×
microPIANO ×
所見:
YAMAHAはあんまり古典調律対応に熱心でない様子が伺えます。YAMAHAはどっちかというと生ピアノを売りたいメーカーですから、電子ピアノから生ピアノに買い変える時に「キルンベルガー音律にしてくれ」なんていう客が出てくると、調律師が対応できなくて正直面倒なんでしょうね。
その他のメーカは、中級者以上をターゲットにした電子ピアノにはほぼ100%搭載されています。小さな子供向けや限界までコストを削った廉価版では音律変更機能が削られていますが、そこはしょうがないと理解できます。
CASIOは中東やインドの音律を色々搭載しています。おそらく実際に中東やインドでそういう切実な需要があるのでしょう。人口は多いですし、若年人口も多く、市場として魅力的だと思います。
「おっ」と思ったのは一部にカスタム音律を設定できる電子ピアノがあることです。カスタム音律に対応しているなら 1/6コンマミーントーンやラモーの音律も自分で設定できる可能性があります。
改めて調べてみたところ、電子ピアノ本体のみでカスタム音律を設定可能な国内メーカ製電子ピアノの現行製品は以下の通り
KAWAI
CA59 ○ (CA99/79:× CA49:×)
CN39 ○ (CN29:×)
ES920 ○
MP11E:○ MP7E:○
他メーカ:全滅
KAWAIの最上位モデルに搭載されてないのが気になります。将来的には外される方向なのかもしれません。なんとか搭載し続けてほしい所です。カスタム音律を設定可能ならば、インドや中東の音律だって設定可能な訳ですからね。
ROLANDの電子ピアノの現行機種は、スマホをつなげば、スマホアプリの「ピアノデザイナー」から一応任意の音律を設定可能らしいです。ただし、ストレッチの細かな調整用として設計された機能なので、これで古典調律を設定するのは骨が折れそうです。