ブラームス作曲、ハイドンの主題による変奏曲 の中全音律聴き比べ動画をニコ動にUPしました。

 

 

作曲されたのは 1873年 だそうなので、平均律が使われていたとしてもおかしくはなく、Youtubeにある一流のプロの演奏を聴いても平均律による演奏ばかりのように聴こえます。

 

一方で、ハイドンが平均律を使っていた可能性はほぼ無いと言ってよく、そのことはブラームスも知っていたはずです。

P.C.1/6コンマミーントーンであれば、問題になるようなところはほぼ無く、全体に響きやメリハリが改善されます。

それ以上クセの強い音律だと、平均律に慣れた耳には違和感の方が大きいかもしれません。

 

しかし何回か繰り返し聴いて、耳が慣れてくると、S.C.1/4コンマのミーントーンによる演奏も、これはこれでアリのように思えてきます。瞬間的に具合の悪い響きは確かに少なからずあるのですが、全体を俯瞰してみたときに、それぞれの変奏の性格付けがハッキリしていて解りやすくなり、平均律と比べると祝祭的な雰囲気が強調されて、退屈せずに聴けるようになります。

 

 

ブラームスと言えばハンガリー舞曲集が親しみやすく有名です。これらの曲もやはり中全音律系の音律がうまく合います。ブラームスが手掛けたハンガリー舞曲は21曲あるそうですが、これらが例外なく中全音律系の音律とうまく合うことは、とても偶然とは思えません。何コンマかまでは解りませんが、中全音律系の音律が施されたピアノを使用していた事はほぼ間違いないのではないかと思います。

 

ブラームスの Wikipedia を読むと、ヨハン・シュトラウス2世と仲が良かったことが描かれています。ヨハン・シュトラウス2世の曲もだいたい中全音律系の音律がうまく合います。

 

 

「ドヴォルザークの才能を見出した」とも書かれていて、ドヴォルザークもやはり中全音律系がよく合う作曲家です。

「ワーグナーとは反りが合わなかった。」とも書かれています。ワーグナーはどちらかというとキルンベルガー系の音律のほうが、うまく合う作曲家です。

 

このように、当時の色々な作曲家の楽曲と、それに合う調律法の傾向を調べていくと、 音楽家の派閥と、主に使われていた音律の派閥には少なからず関係があったようにも見えてきて、とても面白いと思います。