年が明けて10日経とうとしている。


年が明けてからというもの、ケータイもろくに触らず、PCも立ち上げず、アナログな毎日を堪能。


街を歩いたり、知人友人と飲みに行ったり、親戚にも一通り会いに行ったなあ。


シルクドゥソレイユのゼッドを観た。両眼が充血してしょうがないほど興奮して、今も夢の中にいるかのよう。


ツアーも幕を開けた。格別の爽快感、格別の景色。昨年のツアーとは比べものにならない手応えがある。色んな人に言われる、「2009年観た全てのLIVEの中で一番のLIVE」。そのつもりでやってますから。もちろん2010年も引き続き、ね。



きちんとこの目に映しておかなくちゃと思って。いろんなものを。


ケータイの画面の中とか、PCの画面の中とか、できれば死ぬとき思い出したくないじゃん、そんなもの。思い出さないだろうけど。


もっと大きなものを観て、もっと小さなものを観て、それを思い出したい。


目に見えない空気を揺らす術しか使えない俺だけど、それを観ていたいな、よりもっと近いところで。


そんな近況報告と今年の抱負。





『オーロラ』全曲解説。



6.かけら-総べての想いたちへ-


僕らにとって初の連ドラ主題歌となったこの曲の原型は、Tr.3「芽」の時にも書いた曲作り合宿の中で生まれた。

カポタスト(通称カポ)というギターの道具があって、それはギターに取り付けるだけで曲の音程をカラオケの+1,+2みたいに変えることの出来る道具なんだけど、「かけら」はそのカポを用いて作曲している。NICOではあまりカポを用いたことがなかったが、カポは音程を変えるだけでなくバンドが持つ性格すら変えてしまうことがあると個人的には思っていて。だから今まではあまり容易に手出ししなかった。カポを使った方が圧倒的に演奏が楽な曲もわざわざ使わずに演奏したりすることもある。今回は気分転換にちょっと使ってみただけだった。

まずイントロが生まれる。カポなしでは感じることのなかったラインが頭をよぎってすぐフルくんに弾いてもらった。「おおー」イントロだけで既に四人して名曲の予感に胸が昂ぶる。そのまま続けてAメロもBメロもサビもあわよくば間奏のフレーズまで飛び出す始末。10分くらいで原型が完成。テンポを上げたり下げたりしながら、1時間くらいぶっ通しで「かけら」の原型を演奏していた。

手応えのある曲は、何度も何度も繰り返し演奏する。「TAXI」「行方」「壁」「バニーガール」「BUNGY」「エトランジェ」、、、あげていけばきりがないが、そういう曲たちは何度演奏しても飽きることがないし、核がぶれることがない。「かけら」も正にそれである。演奏すればするだけ良い曲に聞こえてくる。だからレコーディングで録り直すこと(情熱大陸、亀田誠治編ですっかりお馴染みのエピソード)もできたんだろうな。

この「かけら」も各所でずいぶんと語り尽くした感があったので、今回は少々マニアックな観点からの解説でした。

とはいえこの曲には他にもまだまだたくさんドラマがあるのだが、、、大事に胸の中にしまっておきたいものもある。良い曲はたくさんのドラマを連れてくる。



続く