バートバカラックを右耳に添えながらお届けいたします。


●2005年を振り返る

●『成人前夜』を完全な自我の観点で振り返る

●そっと振り返る『BRITISH ANTHEMS』

●近況報告、2006年方針、抱負


以上の4点を超長文にて繰り広げようと思っているので、興味のある方はどうぞお付き合いください。





、、、、、と思いましたが、第一段落の「2005年を振り返る」の時点で既に超長文になってしまったので、、、一日ごとに一段落ずつ書いていくことにします。。。





書くぞー。と思ったらバートバカラックがめちゃくちゃ邪魔くさくなってきた。「ながら」ができないんだということに改めて気づく。ミュージックストップ。●2005年を振り返るNICO Touches the Wallsを結成した2004年は、ティーンズミュージックフェスティバルという大会のおかげで息もつかせぬスピードで駆け抜けた一年だった。それまでの音楽活動範囲が気持ち悪いほどローカルだった俺が、10代の大会とはいえ、そうやって外に向けて自らの曲を表現し、他人様の評価を乞うなんてことは例えようもなく本当に大きなステップアップだったわけで。しかしこう、いざ外に出てみたらなんてことない、今までやってたことに毛が生えたようなモンだなあなんてタカくくったりして、「やりたいようにやりゃいい」みたいな決意をして挑んだ2005年だった。いざ始まってみれば壮絶な空回り。まるで「これはプジョーのマウンテンバイクだよ。君にあげる」といわれて喜んで乗ってみたら、タイヤはベコンベコンにパンクしていて、しかもなぜかプジョーのマウンテンバイクだからってあえて砂利だらけの悪路を初乗りの場所に選んでしまう…でもプジョーなんだからきっと大丈夫!とワケもわからず必死になって、前に進もう進もうとペダルを漕ぎつづけ。。。そんな感じの空回り感。まず曲が書けなかった。未だに何が原因で曲が書けなかったのかはっきり突き止めていないけど、きっと「余計なこと」ばかり考えすぎてあっち行ったりこっち行ったりしてしまったあげく、大事な自分のメロディを見失っていたんだと思う。歌詞も書けなかった。その時の俺が大事に思っていたのは、言いたいことよりやりたい音だったから。「誰かに向けて一つテーマを決めて書いてみなよ」といわれても何にも思い浮かばない。屁理屈みたいに言葉を並べて、自分が何歌っているのかもよくわからない。自分でわからないから説得力もなくて、どっか頭の上1メートルくらいで音や言葉がフワフワしてる。そんな面倒な音楽がやりたいわけじゃないんだ。柏や渋谷のマンスリーライヴはずーっとそんな感じだった。「余計なこと」のひとつに、自分が表現する音楽の幅を拡げようってことがあった。端からみりゃ、いやそれはミュージシャンである限り必要不可欠な部分じゃないのかって思うかも知れない。確かにそう。いろんな音楽を身体に吸収して、脳みそとか喉とか手先とか自分の中のいろんなフィルターを通って絶えず表現され続けることがミュージシャンとして最も大事なことの一つ。だけど今回の場合、俺にはそれがとても邪魔な壁になった。今のメンバーと出会ったことによって、俺がつくる音楽の可能性は途轍もなく拡がった。それぞれのメンバーがそれぞれの楽器の表現者として、とてもストイックで繊細な拘りをもっていて、それ故に鳴っている音は俺がイメージする以上のものを表現していた。そこに俺は必要以上に期待して酔っぱらってしまったのだ。「じゃあこんなのは?こんなのどうだ?俺こういうのも好きなんだ、やってみない?」メンバーにひたすら求め続けた。それでみんなの気持ちがキシキシ軋んでいることなんかまったく気づかずに。それでも無理して曲を作っていった。飽きてしまうほど時間をかけて、じっくりじっくり。とても途中では諦められない。自分で自分の首を絞めるというようなプレッシャーを、誰も口にはしなかったけれど、感じていたと思う。ついに口にした。もうやめたい、とか。誰もプラスになんか考えようとしなかったんだから、誰かが言い出しても全然おかしくなかった。それが5月くらいだったかなあ。きっともうみんな限界だった。その時はマネージャーの言ってる事なんてちっとも耳に入らなかったし。。。周りの評価みたいなものもまったく実感が湧かなかった。ただいざそうやってバンドが崩れかけた時に、急に寂しくなった。すごく冷たい風が胸の辺りを通った感覚を今でも覚えてる。その時にぐぐっと気づいた。ああ、まだ俺の心臓は熱を持っているぞって。。。ここからが巻き返し。6月まで残っているマンスリーライヴは絶対良いものにしよう。可能性なんかより今は元々持っているものに自信を持って堂々としよう。気持ちがそう切り替わったら、自然と自分が歌っている歌詞の意味やメロディが強烈に染みこんできた。決して自分の気持ちを書いてきたわけじゃなかったのに、まさしく自分はこの曲の中にいる、そんな気持ちになった。表現できてしまった。マンスリーが終わったときそう感じた。シンプルでいい、基本はシンプルでいいんだ。自然と応援してくれる人も増えてきた。それも嬉しかった。マンスリーが終わって少しずつだけどまた曲を書き始めた。だけどまだ全然コツを掴めなくて本当に少しずつ。そんな中、俺が高校の頃作った曲をマネージャーに聴かせてみた。俺もあのころのシンプルな気持ちで作った曲達を振り返ってみたくて、そのついでといった感じだったんだけど、その反応が良かった。きっと今マネージャーが俺らに求めているのはシンプルなものだと思ったし、ある程度はきっと反応してくれるだろうと思っていたけど。『病気』『雨のブルース』『雲空の悪魔』『友情讃歌』は高校の頃作った曲。高三の一年間だけ遊び感覚で友達と組んだバンドで演奏した曲達、或いは一人で勝手に作って録音した曲達。その友達と組んだバンドってのは3ピースだったんだけど俺を含めメンバー全員楽器経験バンド経験がほとんどなくて、「できるだけシンプルな曲を書くからひとまずバンドやってみよう」って感じで、音色やスキルなんか特に拘りもせずぶわーっとやったって感じだった。結局一年間で30曲弱作ったと思うんだけど、相当いい加減な中に埋もれていた曲達だったわけです。楽しかったけどね、当時はただただ。ただNICO Touches the Wallsってバンドでやるにはあまりにシンプルすぎないかって思ってなかなかやる気にはなれなかった。未だに俺はその頃の曲達をずーっとやる気持ちにはなれない。今までやったものを焼き直しするほど停滞してしまう時間はないと思うから。山下達郎も確かそんなこと言ってた。アーティストとして当然なんだと思う。でもまあCD作りました。高校の頃作った曲2曲を含む。気持ち的には相当葛藤がありましたけどね。まずミニアルバムって時点でイヤだって思った。選曲もなんだかシングルA面寄せ集めみたいな、どこでどう脈絡あわせろっていうの?って感じだし、俺が今までCD出してこなかったのは、CDをもってそれだけ大きなテーマをNICO Touches the Wallsでは表現したかったからなわけで。古くんが「なるようになりました」って言ってるけど、俺も同感だね。でも曲数もないし、そんなこといったらいつCD出るのって感じだし。ただいろんな人に「CDは?CDは?」って言ってもらえた。マネージャーも言ってたけど、やっぱり「CDが聴きたい」ってさ言ってもらえることがまず嬉しいじゃない。だからその人達が「聴きたい」って思ってくれてる、いうならば気持ちの「旬」な時期っていうのかな、そういうタイミングで出すのも別に悪くないんじゃないかなって思って。そしたらじゃあどういう形でみんなに届けるのがベストなのかって方向に自然とシフトした。俺は今回はできるだけライヴに近い生々しい仕上がりにしたい、まずそう思った。『TAXI』『行方』『病気』『雨のブルース』は一から録り直したんだけど、ほぼ全部一発録り。アンプ類もセパレートしないでさ、音のかぶりとか全く気にせずガツーンだして、クリックなんかも使わずに四人の呼吸をひたすら合わせて録った。『image traning』と『プレイヤ』に関してはデモで録ったものをミックスし直したり、ドラムと俺のギターだけ新しいのに差し替えたりして、デモの時よりダイナミックな音を目指した。結果、まんまイメージ通りとまではいかないものの、プロユースの機材を使ってセルフプロデュースした初めての作品って事で大目に見てもらおうみたいな(笑)そんな感じに仕上がった。また次CDを作る機会があるとしたら今回の経験を生かして、もっとリズムを強くしようとか、ギターのレベル下げようとか、ヴォーカルのEQもっとぶっとくかけようとか、、、あげ始めたらキリないね。ただ今回やってみて一番おもしろかったのはアナログ録音した『病気』かな。アナログはやっぱり最高だった、と。次回は全部アナログでやってもいいくらい。。。そんなこといったらマネージャーに怒られるかな。(笑)で、10月半ばにCDが完成して、ジャケット作りとかブックレット用の写真撮影を地元浦安でやったりとか、初めての作業に夢中になり、あっという間に完成したCDでした。『Walls Is Beginning』2/2オンセールです。あとはワンマンライヴに向けライヴの精度を上げるべく北関東遠征にいったりしましたね。だから年内は特に新しい曲はバンドにもっていかなかった。ワンマンはワンマンに集中しよう、と。その方がメンバーも集中できるだろうし、俺は一人の時間で新しい曲のアイディアをあーでもないこーでもないできるから。この辺は次節のワンマンを振り返る章で改めて説明できれば。2005年は、そんな一年でした。こうやって素直な気持ちを素直に振り返ってみることができてよかったなあ、と今は思います。次回は、●『成人前夜』を完全なる自我の観点で振り返るです。きちんと明日更新できますように。(笑)